献上小説置き場3
□ハチャメチャ入れ替わり弾
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そして問題は、この後どうするかという事だった。
「リボーン、そのバズーカの効果っていつまで続くの?」
「大体12時間ってトコか」
「「「「長いっ!!」」」」
全員の声が揃った。
「でも困ったな…」
外見ルッスーリアのベルが腕を組んでうなる。
「何がだ?」
そう聞いたのは、外見ランボの獄寺。
「だってさ、隼人に抱きつけないんだよ?今、隼人ん中は沢田綱吉なワケだろ?で、ホンモノの隼人はガキん中。しかも俺の外見はオカマで俺ん中にはマーモン」
「戻っても抱きつかせねーからな!!」
そのやり取りを聞いていた外見ツナのディーノは、そうかと手を叩く。
「12時間どうすんだ?俺はツナのフリすんのか?それともこの際外見は無視していくか?」
「群れるのはごめんだけど……自分の身体を好き勝手にされるのもごめんだな」
外見スクアーロの雲雀が悔しそうに言う。
不覚にもバズーカに当たってしまった自分が腹立たしいのだろう。
「……そうか…!!」
外見ディーノの骸が突然立ち上がる。
「今僕はキャバッローネファミリーのボス…!この身体を自由に使えるではありませんか!契約をしなくても身体を乗っ取れるとは……!こうしてはいられません!早く存分にこの身体を利用しなくては!!」
「待て―――っ!!!!」
ディーノが慌てて自分の身体を押さえる。
だが身体はツナ、そこまで力が入らず、しがみつくような形になった。
「……………」
「ひっ雲雀さん落ち着いて下さい!あれは俺の身体ですけど、中はディーノさんですからっ」
「……別になんとも思ってないよ。僕には関係ないしね」
端から見れば、ツナがディーノにしがみついている状態。
頭で中身が違うとわかっていても、不愉快なものは不愉快なのだろう。
……あとで咬み殺されなきゃいいけど…そう思うツナだった。
とりあえずみんなの意見を聞いてみると、やはり自分の身体が気になるからバラバラにはなりたくないとの事だった。
「おいマーモン」
「え?」
外見ベルのマーモンがリボーンを見て、それから慌てて山本を見る。
声が違うのに、なんとなく外見リボーンの方を見てしまった…。
「今ならいろいろと出来るぜ?試してみるか?」
「おっお断りだよ!!」
2つの視線も痛いし。
もちろんそれは、中身がスクアーロとベルの2人。
外見骸の山本は、よくわかっていないようだった。
そこで、雲雀に近寄るマーモンがいた。
中身はルッスーリアと了平なのだが。
「りょっ…了ちゃぁ〜〜んっ」
「ん?何だ?チビ」
「了ちゃん、今までの話聞いてた!?私よルッスーリアよっ!」
「おぉ!随分小さくなったなぁ」
「ぐすっ…こんなぷにぷに……了ちゃん、抱っこしてぇ〜〜」
そこで外見雲雀の了平がマーモンの身体を抱き上げようとする。
「ちょっと!!僕の身体で変な事しないでよ!!」
外見スクアーロの雲雀が叫ぶ。
自分の身体であんな得体の知れないものを抱き上げるのも嫌だが、その中身があのごついオカマというのも許せない。
「何よヒバちゃんの意地悪っ!」
「ヒ…!!??」
そしてルッスーリアはマーモンの姿でぐずぐずと泣き出す。
床に座り込んで丸まって泣く姿はかなり可愛い。
「………………」
それを見て、山本の鼻から血が流れ出した。
「ちょっとリボーン!?」
外見ベルのマーモンが叫ぶ。
「あ、いけね」
「鼻血とか……あれ僕じゃないからね!?」
「だっておまえ、普段あんな風にしねーだろ」
「当たり前だよ!っていうか今だって鳥肌立ってるし!!」
思わぬところでいい収穫があった……山本の身体で、鼻血を拭きながら口の端を上げるリボーンであった。
そして先程から黙っているツナといえば、リボーンの傍にいた。
正確には、ザンザスの傍。
「ねぇザンザス」
「何だ」
リボーンに向かってそう呼ぶ事に違和感があったが、返事をしたザンザスも微妙な感じがしていた。
これは綱吉だと自分に言い聞かせても、見た目はいつも「10代目10代目」とうざったい自称右腕の獄寺隼人。
「なんか、リボーンの中がザンザスだと思うと、ちょっと可愛く見える」
「は?」
普通逆ではないか。
少なくとも、可愛いという方向にはいかないはず。
だが外見獄寺のツナは嬉しそうにリボーンの身体を抱き上げた。
「だってさ、そうやってふてくされてるのがなんか可愛いんだもん。リボーンって絶対そんな顔しないし」
「……綱吉、おまえ、楽しんでないか…?」
「12時間たったら戻るみたいだしね、楽しんだ方がいいかと思って」
そう言って笑う表情は、確かに自分の恋人であって。
まぁいいかと、赤ん坊の姿でおとなしく抱き上げられるザンザスであった。
それからなんだかんだで昼食を食べ、夕食を食べ、狭い沢田家は定員オーバーだった。
奈々は「にぎやかでいいわね〜」なんて言って張り切って食事を作っていたが。
夕食も終わり、外見了平のスクアーロと外見骸の山本は、ソファでくつろいでいた。
「……………」
外見了平のスクアーロは、隣をじっと見る。
確かに中身は恋人の山本武。
でも、何せ外見があの六道骸、なんだか話しづらい。
「なんか変な感じなー」
「あ"…あ"ぁ……」
「スクアーロだってわかってても、俺って全部ひっくるめてスクアーロが好きだからさ。もちろん見た目だけじゃないけど、中身だけってのも妙な気分なんだよなー」
「たっ武ぃ……!!」
感動のあまり、了平の姿で涙を流すスクアーロであった。