献上小説置き場3

□未来の約束
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「……で、これは何だ?」
 
ベットに押し倒されている了平。
上にいるルッスーリアは笑顔で答えた。
 
「もちろん、食欲の後は性欲も満たさないとね」
 
「って………」
 
つまりは、アレか……。
了平は察する。
 
2人の間に肉体関係はある。
だが、それも数える程。
 
 
 
「了ちゃん……」
 
もちろん、この時だけ見せる彼の素顔にもまだ慣れない。
 
ルッスーリアがサングラスを外す。
それが合図だった。
 
 
 
 
 
「っ……ふっ…ん……くっ………」
 
「了ちゃん…声、我慢しなくていいから」
 
だが、了平は勢い良く首を横に振る。
 
「〜〜っ……あっ…んな………声など……だ、出したく…ないっ」
 
この時の自分の声は嫌いだ。
甘ったるくて、まるで自分ではないみたいで。
 
「私はもっと貴方の声が聞きたいわ……」
 
「い…や……だっ」
 
でもわかっている。
いつもいつも我慢出来なくて、最後には声が枯れるまで喘いでしまう事を。
それでも今回は…と頑張るのだ。
 
そんな恋人の姿に、ルッスーリアはさらに興奮を高める。
まったく彼は、可愛くて仕方がない。
 
 
 
 
「っ……了ちゃん、力抜いて…」
 
「ムッ……ム…リ……っ」
 
きつい……それに苦しそうだ。
何かを受け入れる様には出来ていないのだから当たり前なのだが。
 
 
「了ちゃん…キス、しましょう…?」
 
「ん……?…ん……」
 
そして互いの唇を重ねる。
少し緩くなったのを機に、ルッスーリアは最奥まで己を押し込んだ。
 
「ッ…アアァァ――ッ!!」
 
ズズズ…と物凄い質量が入ってくる感覚に、了平は思わず悲鳴を上げる。
 
「了…ちゃんっ……」
 
動きたいが、少し待った方が良さそうか……だがこっちももたない。
ルッスーリアは己の欲望と葛藤する。
 
そんな姿を見て、了平は涙目で微笑んだ。
 
「う……動いて…いい、ぞ…」
 
「でも了ちゃん」
 
「おっ…俺は、大丈夫だっ…!そんっ…な…やわな…鍛え、方は…して……ないから、な…」
 
「了ちゃん……そうね…貴方の強さは、私が1番良く知ってるわ」
 
ルッスーリアも微笑むと、それでも気遣いながら、ゆっくりと動き始めた。
 
 
「ンッ…アッ…アァッ……」
 
「りょ……ちゃんっ……」
 
「ルッ……ルッスー…リア…!」
 
最後に一際強く最奥を突かれ、了平は絶頂を迎える。
それにつられるように、ルッスーリアも愛しい恋人の中に精を放ったのだった。
 
 
 
 
 
 
あれからさらに盛り上がり、結局寝たのは夜遅く。
そしてあっという間に朝が来た。
 
 
「…………………」
 
「おはよ、了ちゃん」
 
「……おはよう…」
 
了平はぷくっとむくれる。
 
…また、散々喘がされてしまった……。
しかも何度も。
最後の方は記憶すら怪しい。
 
 
「ほら了ちゃん、朝のロードワークが待ってるわよっ」
 
「ぬ、そうだった!今日も極限鍛えるぞ――!!」
 
「私も付き合うわ!」
 
そして着替えていると、ふと了平の動きが止まった。
 
 
「ルッ…ルッスーリア」
 
「ん?なぁに?」
 
「おっ………俺は家事が出来ん!」
 
「…?えぇ…」
 
承知の上である。
 
「だが……手を貸すくらいは出来る!………多分」
 
「………?」
 
いまいち、彼が何を言いたいのかわからないルッスーリア。
 
了平は一呼吸おくと、大声で言った。
 
 
「そんな夫でもいいなら…嫁に来い!ルッスーリア!!」
 
 
「っっ……了ちゃん……!!」
 
 
ルッスーリアは思わず、男前な恋人に飛びつく。
やっと、昨日の話をしていたのだと気付いた。
いつもは3分前に話した事も忘れる彼が、まさか昨日の話を持ち出すとは思っていなかったのだ。
 
 
「一生ついていくわっ、マイダーリン!」
 
「おぉ!任せろ!」
 
胸を張る了平に、ルッスーリアは耳元で「でも、夜は私に任せてね」と囁く。
瞬時に真っ赤になった未来の夫を、もう一度強く抱きしめるルッスーリアなのであった。
 
 
 
 
 
 
→後書き
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