ブログ小話置き場

□望むのは
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※クラスターのアニメ終了後です。
 1号が生きていたという設定です。
 シリアスで終わったのは嫌だと思い、勝手に捏造してます。
 それらが平気!!という方はどうぞ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「ん………?」
 
瓦礫の下で、1号は目を覚ました。
 
 
「生きて…る……?」
 
てっきり死んだと思った。
 
だが、確かに生きている。
 
 
 
「……やっぱり、人造兵だから…か」
 
人間に近づけたと思ったが、しょせん自分は造られた人造兵なのだ。
 
人間だったら確実に死んでいた。
 
 
 
辺りを見回すと、やけに静かだった。
 
戦争は終わったのか…?
 
 
なんとか瓦礫をどかす。
 
あの人のペンダントを捜したが、見つからなかった。
 
 
 
 
みんな、どうしているだろう
 
早く会いたい
 
 
クロムはアゲートに…友達に会えただろうか
 
 
今ならわかる
 
何故、クロムがあんなにも必死に彼を助けようとしたのか
 
 
今ならわかる
 
何故、カールスがクロムに自分の弟としての記憶を分け与えたのか
 
 
 
人造兵の可能性
 
 
カールス、あんたはそれに賭けたんだね
 
 
造られた俺達でも、ちゃんと心を持てるって
 
 
 
俺達人造兵はやっぱり人間にはなれない
 
けど、人間のような心を持つ事は出来る
 
 
クロムを見ていてそう思った
 
あいつはきっと、1番人間に近い人造兵だ
 
段々、彼のような奴が増えていくといい
 
人造兵だって人間と一緒に暮らせる
 
ただの戦争の兵器じゃない
 
 
 
 
カールス
 
俺、今すごく嬉しいよ
 
 
生きていて嬉しい
 
少しだけどカールスやクロムの事がわかって嬉しい
 
またみんなと会えると思うと、最高に幸せだ
 
 
カールスがいなくなった時、すごく嫌な感じがした
 
あれ、きっと悲しかったんだ
 
寂しかったんだ
 
……泣きたかったんだ
 
 
 
カールス
 
ありがとう
 
 
俺の体を造ったのはあんたじゃないけど
 
今の俺を造ったのはあんただ
 
 
心をくれて、ありがとう
 
大切だと思える仲間をくれて、ありがとう
 
……一緒にいてくれて、ありがとう
 
 
俺達人造兵に優しくしてくれた唯一の人間
 
 
あんたにもらったこの心
 
これから育てていきたいと思う
 
沢山、友達を作って……
 
 
 
 
 
 
「さて、と」
 
1号はなんとか立ち上がり、よろよろと歩き始めた。
 
 
 
……あの子供は、いつか両親と一緒に遊園地に行けるだろうか
 
あの時、お礼を言ってくれた
 
 
ありがとう
 
 
それだけの言葉が、何より嬉しかった
 
 
 
 
人間になりたいかと聞かれれば、やっぱりなりたい
 
けど、今はそれよりも…………
 
 
 
 
「あ、お兄ちゃん!!」
 
「っ?!おまえ……」
 
なんと、あの時助けた子供が瓦礫の上に立っていた。
 
急いで走ってきたのか、息が乱れていた。
 
 
「や、やっぱり心配で……静かになったから来ちゃって…」
 
そう言いながら近づいてくる。
 
人造兵の、この俺に。
 
 
「おまえ、俺が怖くないのか…?」
 
どこからどう見ても、自分は人造兵なのに
 
 
だがその子供は、笑顔で言った。
 
「怖くないよ。だって、お兄ちゃん僕を助けてくれたもん。すっごく優しいもん」
 
「……………」
 
涙が出そうになった。
 
子供の前で膝をつき、その小さな体を抱きしめる。
 
とても、暖かかった。
 
 
 
 
 
あぁ…俺は何より、人間と仲良くなりたいよ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
―――――――――――――
あれ?ギャグにするつもりが、何故かこんな1号の語りに。
助けた子供、男の子か女の子か忘れました。
一応男の子のつもりで…。
アニメのEDで、クロム団の誰かがペンダントを持っていたのでそーゆー設定で。
1号のあれは感動した!!
でもやっぱり生きててほしい!!
って事で、こんなの書いてしまいました。
ぶっちゃけ彼の口調はよくわかりません(笑)
2008.02.26

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