ブログ小話置き場

□兄か弟か
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本編の雰囲気を壊したくないとか、もはや前向きでルルーシュ大好きなスザクは考えられないという方はお戻りになる事をお勧めします。
それでもオッケーという方はどうぞ。
 
 
 
 
 
ルルーシュのゼロとしての記憶が消された。
 
という事はつまり、僕と彼はただの友達同士に戻ったのだ。
つまりは――……
 
 
 
「ルルーシュ」
 
「スザク、久しぶりだな」
 
可愛いルルーシュ。
ゼロだと、敵だと知った時はショックだった。
どこかで予想はしていたけれど。
 
でも、今はただのルルーシュだ。
 
 
「久しぶりに君の家に行ってもいい?」
 
「あぁ。ロロもいるけどな」
 
「構わないよ」
 
一方、ルルーシュは戸惑っていた。
もはや真実の記憶はある。
自分がゼロだという事も、目の前の親友が自分を皇帝に売り払ったという事も。
 
だが、捏造された記憶を埋め込まれたままのフリをしなければ。
ギアスはもう彼には使えない。
以前かけてしまったから。
 
ロロも手中に収めた。
後はボロが出ないように振る舞うだけ。
 
 
 
 
 
放課後。
 
 
「あ〜、久しぶりだな〜」
 
本当にスザクはルルーシュの家を訪ねてきた。
 
しかもかなり嬉しそうだ。
それもそのはず、スザクはルルーシュが大好きなのだ。
親友としてではなく、それ以上の存在として…。
結局、告白する前にゼロだとわかってしまった。
 
だが、今なら全てやり直せる。
 
 
 
しかし、ロロは不機嫌な顔をしていた。
 
枢木スザクの態度は見ていればわかる。
データから見ても、ルルーシュ…兄さんに好意を持っているだろう。
実はロロもルルーシュが大好きだった。
 
最初は監視役として送られたが、彼はすごく優しかった。
家族のいなかったロロにとって、例えかりそめでも出来た家族。
兄さんは優しく綺麗で賢く、そしてとても愛らしかった。
記憶が戻っても、以前と変わらず優しく接してくれた。
もしナナリーを連れ戻しても3人で仲良く幸せに暮らそう、そう言ってくれた。
 
だから、それには彼、枢木スザクが邪魔だ。
出来るなら今すぐにでも殺してやりたいが、それは出来ない。
兄さんはやっぱり甘いのだ。
自分を売り払ったが、かつては親友だった存在。
殺すのを躊躇っている。
それにこのタイミングで殺してしまったら、全てバレてしまうかもしれない。
 
 
 
ルルーシュは紅茶を用意すると、ロロもいるリビングへスザクを案内した。
 
 
「本当、久しぶりだな。おまえ軍の仕事は大丈夫か?」
 
「大丈夫。前にも言っただろ、そんなに危険な事はやらないって」
 
「ならいいが…」
 
安心したように微笑むルルーシュ。
もちろん、全て演技。
 
 
「ロロも元気そうだね」
 
「……はい」
 
「こらロロ、何仏頂面してるんだ?」
 
ロロのほっぺを軽く抓り叱るルルーシュ。
どこからどう見ても、ほほえましい兄弟だった。
 
だがスザクには、1つ気になる事があった。
この兄弟の事だ。
仲がいいのは結構だが、あまり良すぎても気にくわない。
 
「ルルーシュ、ロロとは相変わらず仲がいいんだね」
 
「まぁな。たった1人の弟だしな」
 
「だよね、兄さん。お風呂も寝るのも一緒だし」
 
「……は?」
 
「それはっ…」
 
焦るルルーシュを見て、スザクは詰め寄る。
 
「何?ルルーシュ、そこまで仲いいの?」
 
「違っ……ロロ!!それは数回だろうっ」
 
「でも真実」
 
「って……おまえがホラー映画を見て怖いからって…」
 
「へぇ〜…」
 
ジロリ、とスザクはロロを睨む。
だが彼は勝ち誇ったように口の端を上げていた。
 
スザクは瞬時に理解した。
コイツは敵だと。
そして放っておいてはルルーシュの身が危ないと。
 
 
「ルルーシュ、僕もここに住むよ」
 
「「何?!」」
 
2人の声が重なった。
 
「だっておまえ、軍に…」
 
「大丈夫、これでも結構上までいったから多少の我が儘は通るんだ」
 
「だが……」
 
戸惑うルルーシュ。
そこにロロが助け舟を出した。
 
「スザクさん、やっぱり家に余ってる部屋もないし、いきなり軍に呼ばれたりしたら仕事に遅れるでしょ?」
 
「ロロ…」
 
ルルーシュはホッとしてから、頷く。
 
「そうだぞスザク。たまにならいいが、さすがに住むのは…」
 
スザクは一瞬ぶすっとするが、ため息をついて紅茶を一口飲んだ。
 
「…わかったよ。けど、遊びには来るからねっ」
 
「あ…あぁ…」
 
「兄さんっ」
 
ロロは焦る。
出来るなら二度と来てほしくない。
だが後の祭り、今度はスザクがニヤリと笑いロロを見た。
 
「じゃあ、これからもよろしくね、ルルーシュ、ロロ」
 
そう言うと、スザクは今日はおとなしく帰っていった。
 
 
 
残された2人は唖然とするしかなかった。
 
「ロロ……あいつは俺を売り払った奴…だよな…?」
 
「そっそうだよ兄さん!!騙されちゃダメだよ!!きっと兄さんがボロ出すのを待ってるんだよ!!」
 
「だっだよな!!」
 
「うんっ!!」
 
 
とりあえず要注意人物は絞れた。
これからどう兄を守っていこうか……思考を巡らせるロロだった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
――――――――――――――――
スザルルのようなロロルルのような…なんでしょう?
グダグダになってしまった。
ルル受大好き!!
ロロはいいポジションだなぁと思いつつ、やっぱり攻。
アニメでスザルルが修復不可能まできているので、せめて捏造では明るくいきたいです。
2008.05.21

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