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□昼休み,屋上にて―島準編―
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昼休み、屋上へと続く階段を一段ずつゆっくりとのぼる。
最後の一段をのぼり終えて、外に出ようとドアノブに手をおいた。
わざと大きな音をたててドアを開くと、そこには誰もいなかった。
ありがたいことなのだが。
フェンスの近くまで歩き、それを背にしてもたれ掛かった。
そして瞼を閉じた。
「…あれ?し、んごさん…?」
昼寝をしようとここにやって来た準太が島崎を見つけた。
勢い良くドアを開けたにも関わらずビクともしないということは、完全に寝入っている。
島崎が起きないように、近づいていく。
隣に来たところで座った。
「珍しいな、こんな無防備な慎吾さんは」
少し顔を覗き込んだ後、島崎の右手の上に己の左手をのせた。
「つめてぇー…こんな冷たかったっけか?」
だんだん眠くなってきて、遂にそのまま眠ってしまった。
予鈴がなり、島崎は瞼をゆっくり開けた。
今、初めて準太が隣で寝ていることに気がついた。
とくに驚きはしなかったが、予鈴が鳴っても目覚めないので慌てて体をゆすってみた。
だが、準太は起きそうになかった。
「来てたんなら起こせよな、ったく・・・」
乗せられていた左手をぎゅっと握った。
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