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□昼休み,屋上にて―阿三編―
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4時限目が終わり、弁当をカバンから取り出そうとした時、三橋のポケットの中で携帯がふるえた。
恐る恐るメールを開くと・・・

「あ・・・べくん?」

弁当と筆箱を握りしめて、田島に一言“食べてていいよ”と告げてから教室をあとにした。

*****

屋上に着くと、そこにはもう阿部がいた。
辺りを見渡したが、他に誰かいる様子はない。
三橋は阿部のいる場所へ走って行った。

「用事って・・・?」

阿部から視線をそらして言った。

「っ・・・。これ、この間お前が解いたプリント」

おどおどしている三橋にイラついたが、どうにかどならずにすんだ。

「10問中1問ってお前なぁ!!」
「ご、ごめんなさ・・・」
「シャーペン出せ。まずここから解説すっから」
「う、うん・・・」

一生懸命やっている三橋だが、一度やったことを覚えるのにかなり時間がかかる。
だから覚えてもらうまで、阿部は何度も同じことを教える。

「よし、それができたらこっちの式に代入して・・・」
「で、できた・・・」
「だんだん早くなってきたな。次もさっきと同じように・・・」

ほんの数秒だったが2人の視線が合った。
気づいてすぐにそらしたのは三橋である。
阿部はまだ三橋を見続けている。
問題の直しと格闘している三橋の表情を見て、おもわずふきだした。

「え、な、何?」
「いや、お前表情変わりすぎっ・・・!!」
「ひ、ひどいよ!笑うこと・・・・・・」
「ん?どうかしたか」

黙り込んでしまった三橋の顔を覗き込んだ。
すると、三橋のお腹がぐぅーっと鳴った。

「なるほど・・・そういやぁ昼飯まだだったな」
「終わったから・・・食べても、いいよ、ね?」
「食うか」

相当お腹がすいていたようで、三橋はあっという間に弁当をたいらげた。

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