CP,all

□電話の相手は・・・
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もうすぐ新学期が始まる。
だが、俺の目の前にある宿題の半分は白紙だった。

自分ので手一杯だというのに利央のまで見ている。
人のこと言えないけど、こいつは頭が悪くて物覚えが悪い。
教える方の気持ち考えろっつうの。




「準さん、俺何かしました?」

「・・・お前暫く話しかけんな。俺のが進まねぇ」

「す、すんません・・・」





こうでも言わないと、しつこく質問してくる。

俺よりも明らかに進んでるんだから少しは黙ってろ。
ん、待てよ?こっち方が良いかもしれない・・・



「利央」

「何すか?」

「コンビニ行って飲み物買ってこい」

「えっ?!だって準さん家からチャリで15ふ」

「早く行ってこい」




俺は利央をパシリにすることに成功した。
これで30分は確実に1人でいることができる。
この時間を無駄にするものか。




チラッと時計を見ると、利央が家を出て15分経っていた。
もうコンビニに着いただろう。
現在の俺の宿題の進み具合は、かなり順調だ。
あと1時間あれば全て終わる。

何故こんなに急いでいるのかというと、
春休みが残り2日でしかも両方1日中練習だからだ。
丸々1日休みな今日やらなければ間に合わない。

教師というのは意地が悪い。
せめて、提出を2日目にしてくれればもっと楽だったかもしれないのに。




再び時計を見た時は、先ほどよりさらに15分経っていた。
そろそろ利央が帰ってくる。
あと数ページ残っているが、頭が限界を迎えたので休憩をとることにした。
机の上にあるものをどけ、俺はそこに顔を伏せた。


5分くらい経っただろうか。未だに利央は帰ってこない。
携帯は持って行ったようだから、電話をかけることにした。

だが俺が自分の携帯に手を伸ばした時、急に呼び出し音が鳴った。


「この曲は・・・・・・」


サブディスプレイには“島崎慎吾”と表示されていた。
留守電になる前に通話ボタンを押した。





「もしもし、慎吾さん?」

『あぁ準太?何分か前にコンビニで利央に会ってさ』

「まだ利央そこにいるんですか?」

『いや、もういねぇよ。何か飲み物渡された』

「だってあいつの荷物・・・あっ」




あると思っていた利央の荷物は、そこには無かった。



『これからお前ん家行ってもいいか?』

「いいっすけど・・・」

『何?』

「宿題、教えてくれますか?」

『慎吾さんに任せなさい!!』

「じゃあ、待ってますから」

『おぉ』




慎吾さんが切ったのを確認してから携帯を閉じた。
もし利央をコンビニに行かせてなかったら、
家に慎吾さんが来ることにはならなかった。
だから少しだけ利央に感謝する。



約15分後、俺は玄関まで走ることになる。







*あとがき*
―――――――
準太,高1→高2、島崎,高2→高3という設定で。(今更かよ
これ書いたの新学期始まる前だったのでちょーっと遅いんですけど。
最初の方は、これ島準?と頭を抱えてしまうかと思います。実際違うよね、これじゃ。
+利央なので準太取り合ったりしてないですよーっ!!!
タイトルにした割に、電話のシーンが最後しかないという・・・ご、ごめんなさ(切腹
ほのぼの目指したのですが、如何だったでしょうか?
最初も準太がちょこっと利央いじめてるけど、あくまでもほのぼのですので!!
→08.04.17

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