CP,all
□君の寝顔
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2人きりで帰れるのは、どれくらいぶりだろうか。
昨日の夜、栄口からのメールを見た俺は携帯を握りしめたまま固まった。
『明日、2人で帰らない?』
この時の俺の顔を見たら、誰だってひいていたと思う。
まさか栄口から誘ってくれるなんて。
早く明日の放課後にならないかな・・・・・・
忘れていた。
今日、俺は日直だったのだ。
よりによってこんな日に面倒なことを。
メール送ったら終わるまで待っててくれるって言ってたし、
なるべく早めに終わらせよう。
*****
普段、自分から誘わないからたまには良いかなと思った。
そしたら水谷の奴、こういうときに限って日直とかいうし。
でも、俺が言いだしたことを自らやめてしまうのはどうかと思ったから
水谷のことを待つことにした。
「栄口、帰らねぇの?」
いつまでも帰り支度をしない俺のことが気になったのか、巣山が声をかけてきた。
「あーうん。人待ってるから」
「そっか。じゃあ、また明日な」
「おぉ、また明日」
巣山の姿が見えなくなった直後、俺は机に顔を伏せた。
水谷が来るまで、少しだけこうしていよう。
どうせすぐだろうし、少しだけ・・・
そう思っていたのに、いつの間にか眠ってしまった。
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