CP,all

□君だから嬉しいんだ
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夏の大会の為に、この時季になるといつにも増して練習がハードになる。
その頃やってくるのが、俺の誕生日。
忙しくなるから結構皆忘れちゃうみたいなんだけど、
あいつだけは毎年ちゃんと覚えてくれてるんだ。

「栄口、」

振りかって見た先にいたのは水谷。
俺の誕生日をちゃんと覚えてくれている奴。

「何、水谷」
「今度の日曜日さ、部活の後ヒマ?」
「別になーんも無いけど?」
「じゃあさ、俺の家来ない?」

今度の日曜日は俺の誕生日だ。
それが分かってて誘ってるかどうかは知らない。
けど、誘ってくれたのは凄く嬉しかったりする。

「あー、いいよ」
「え、何その微妙な反応は!!」

からかうのが楽しくて、つい可愛くないこと言っちゃうけど
本当は嬉しいんだからな、水谷。


*****


「はい、入ってぇー。俺しかいないけど」
「おじゃましまーす」

部活は昼過ぎに終わったから、そのまま水谷の家に行くことになった。
家の中へ入ると、通されたのはリビング。

「へへー・・・じゃーん!!」

水谷が冷蔵庫から取り出したものを俺に見せてきた。
それは、生クリームでコーティングされ、イチゴが乗ったケーキだった。

「す、すごっ!!」
「栄口の為に俺1人で作ったんだよ?」

ヤバイ、嬉しすぎる。

「こうやって直接祝えるのも今年までだろ?」
「んっ・・・」

俺の唇を塞いできた水谷のそれは、微かに生クリームの味がした。
部活に行く直前まで作っていたに違いない。


来年からは別々の大学に行ってしまうから、
こんな風に過ごせるのは高3である今年までだろう。
だから、今はこの時間を大切にしなくちゃいけない。

「栄口、俺はこれからもずーっとお前の誕生日祝うから」
「み、水谷・・・」
「誕生日おめでとう、栄口!!」

水谷がにっこりと笑うもんだから、思わず抱きついた。
そうされた水谷の顔は真っ赤で凄く面白かった。

次は俺が水谷を祝う番だね。
まだ先のことだけどな。
覚悟しとけよ?


―――――――
高3設定でお送りしました。まず、ハッピーバースデイ,栄口!!
振りをジャンルに入れてから、絶対に祝ってあげたかったキャラのうちの1人です。
この栄口、ちょこっとキャラがおかしくなってしまいました・・・やってもーた(ぇ
折角なのでなるべく甘くなるように頑張りました。甘く、なったのでしょうか?
今読み返すと、凄く恥ずかしくて仕方がない・・・文貴も私も恥ずかしい奴です←
久しぶりに水栄書いたら、よく分からなくなってしまいました・・・
→08.06.08

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