CP,all
□花見より・・・?
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桜の花が散り始めた。
でも・・・・・・まだ花見をやっていない。
忙しい彼らにそんなことをしている暇はないのだが。
今年は無理だろうなと誰もが思った時
ある1人の女が口を開いた。
「明日の練習後、つまり午後・・・みんなで花見しましょ♪」
西浦高校野球部の監督、百枝まりあは笑顔でそう言った。
花見より・・・?
百枝の提案となれば、普通の花見だと思う者はいない。
何かはわからないが、絶対に何かあるはずだ。
気になるけど、本人に直接確かめるのは怖くて誰もできない。
だから当日まで待つしかない・・・・・・
当日。練習が終わり、このあと予定が発表された。
「着替えたらグランドの桜の木の下に移動!」
「「「「「「「「「「はいっ!!」」」」」」」」」」
「千代ちゃんはビンゴ忘れずにね」
「はい!」
どうやら篠岡は今日行われることを知っているようだ。
笑顔で返事をしたが、後ろに黒い何かが見えたのは否めない。
志賀は参加しないらしく、終わってすぐいなくなった。
―さぁ、恐怖(?)の花見の始まりだ。
最初は普通に楽しむことができた。
阿部がカルピスと麦茶をブレンドして水谷に飲ませてたり、
田島と泉が歌ってたり・・・ここまでは本当に良かった。
「このまま何も無きゃいいのにな」
「花井の言うとおりだよ・・・ははっ」
栄口が相槌を打った直後、ついに百枝が動き出した。
始まってしまうのだ・・・ビンゴが。
「はーいみんなぁー!!1枚ずつ取ってね。まだ見ちゃダメだよ」
「監督ーっ!賞品とかあるんですか?」
1人怖いもの知らずな奴がいた。
「田島君、よくぞ聞いてくれました!!」
田島はワクワクしているが、百枝はニヤニヤしている。
それを見た三橋はブルブルと震えだした。
「みんなには1位のあれを目指してビンゴをやってもらいます!」
そう言って百枝が指さした。
なんとそこにあったのは・・・・・・
「「「「「「「「「「で、デジタルカメラ?!」」」」」」」」」」
最近発売されたデジタルカメラだった。
疑った泉が確認しにカメラに近づいた。
だがすぐにみんなのいる方に戻ってきた。
「本物?」
「そんな疑うなら水谷見てくれば?」
「・・・結構です」
そのあと発表された2位と3位は商品券(5000円分)と目覚まし時計だった。
1位のデジカメと他の2つでは・・・明らかに差がありすぎる。
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