CP,all

□四月、馬鹿
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春休みになっても、ほぼ毎日練習がある。
今日も練習は夕方まであった。








長かった1日の練習が終わり、全員が部室に向かって歩き出した。
体力なんて殆ど残っていないはずなのに、田島だけはぴんぴんしていた。
その力をわけろ・・・と誰もが思ったであろう。





「ホント田島はすげぇよなー」

「はは、俺もうクタクタなのに」

「フライもとれないくせに?」

「・・・それ今言う?」





沖と水谷の会話に阿部が割って入ってきた。




「いつでも言ってやるよ」

「まぁまぁ」

「うぅっ、沖っていい奴だね」

「ありがとう・・・」

「おーい阿部ぇー!!」





良いタイミングで田島が阿部に声をかけた。
これで、面倒なやりとりが終わる。




「何?」

「泉と栄口が用があるってさ」





普段お目にかかれない組み合わせだ。
阿部は少し不安を抱いて沖と水谷の元を離れた。



呼ばれた方へ行ってみると、例の2人が手招きしてきた。
2人の前には三橋と花井がいた。
田島と西広と巣山は離れたところにいる。



「で、用ってなんだよ」

「まぁまぁ阿部、これから言うからさ」




栄口が阿部をなだめると、泉が口を開いた。





「田島と西広と巣山にはさっき言ったんだけどさ・・・」

「あっ!ふぐぅ・・・」





田島が何か言おうとしていたが、近くにいた西広と巣山がやめさせた。
やめさせたのだが、そうした本人たちは嫌そうにしていた。






「(邪魔すんな田島)あのな、モモカン・・・来月結婚するらしいぞ」

「「「?!」」」






驚かないはずがない。
バイト代を野球部につぎ込んでるあのモモカンが、
来月結婚するだなんてきいたら、野球部なら誰だって驚くだろう。




「え、え?!」





花井はさっきからずっと“え”しか喋っていない。
阿部はフリーズしてるし、三橋は何故か怯えている。



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