CP,all

□嬉しい気持ちが溢れてる
1ページ/1ページ


「じゃあ今日は終わりにしましょう」

監督がそう言うなり、皆は挨拶をして部室からぞろぞろ出て行った。
いつもなら私もここで出て行くけど、今日はやらなきゃいけないことがある。
けど・・・あれ。もしかしてもう帰っちゃったのかな。
まだ何人か残ってるけど、その中にはいない。
待ってて、って先に言っておけば良かった。
今そんなこと考えてもどうにもならないから、とりあえず今日は帰ろう。
そう思って私は部室を出て1人駐輪場に向かった。

「しのーか」
「え、田島君?!どうして・・・」

駐輪場に着くと、私の自転車の前に田島君がいた。
もう帰っちゃったのかと思ってたのに。
本当に、どうしてここにいるの。

「今日のしのーか、何か様子がおかしかったからさ。部室で声かけたかったけど、まわり気付いてなかったみてぇだからかけらんなかった」

ごめん、と言って田島君は俯いた。
様子がおかしかったのは、ただ緊張してただけなんだけどな。
でも、田島君が私のこと見ててくれたのは凄く嬉しいよ。

「謝らないでよ。私、何ともないから、ね?こっちこそ心配掛けさせちゃってご」

そのあとに続く筈だった言葉は、田島君の温かい何かによって拒まれた。
軽く触れた後、それはだんだん深いものに変わっていった。
苦しいけど、決して嫌ではない。田島君だから、だけどね。でもさ・・・

「・・・大丈夫か?」
「っ平気だけど、ここ学校だよ?誰か見てたらどうするの」

せめて時と場所を考えてほしい。あぁ、見られてたらどうしよう。

「いいじゃん、見せつけとけば」
「何言って・・・」
「だって、しのーかを誰にも渡したくねぇんだもん」

よくそういうことをサラッと言っちゃうよね。今、私の顔は絶対に赤い。
嬉しいんだけど、やっぱり恥ずかしい。
無意識のうちに赤くなった頬を隠すために手をあげた時だった。

「っ?!」

左手で背中に隠し持っていた紙袋の持ち手からするりと手が滑り、紙袋が地面に落ちた。
どうしよう、大事なものが入った紙袋落としちゃった。
田島君に渡すもの、なのに。

「しのーか?」

もう、渡すなら今しかない。どうか割れてませんように。

「た、田島君。誕生日おめでと!!」

落としてしまった袋を拾い、田島君に差し出した。
すると、田島君はニカッと笑って袋の中身を取り出した。

「ありがとな!!これ、開けていい?」
「うん」
「・・・おぉ、ストラップだ!!しかも手作り」
「割れてなくて良かった。それね、お揃いなんだ!!」

ポケットから携帯を取り出して、見せた。それを見るなり、田島君は私に抱きついてきた。(だから学校だって)

「嬉しすぎる。しのーか大好きっ!!」

こんなに喜んでもらえるとは思わなかった。
勿論、私だって田島君のことが大好きだよ。



嬉しい気持ちが溢れてる

(お返し、期待してるよ?)


―――――――
Happy birthday,田島!!ゲンミツに祝います←
おお振り初のNLCPです!!田千は可愛ければそれでいいと思ってるんで(ぇ
ストレートすぎるぞ、この田島。いまいち田島が分かっていない私なのでした;
すいません、書いた本人が一番恥ずかしいのはここだけの話にしておいて下さい。
→08.10.16

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ