CP,all

□代替品
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午前0時ちょうどに受信されたメールを見て、準太は頬を緩ませた。
大好きな人に誰よりも早く祝ってもらえることは幸せなんだな、と思いながら。
日付が変わってしまったので正確には今日だが、これから寝て起きたら朝練に行かなくてはならない。
声が聞きたい。だけど・・・そんなことを考えているうちに準太は眠ってしまっていた。



あんなメール貰ったら会いたくなるじゃないっすか、慎吾さん・・・






朝練には遅刻しなかったが、寝るのが遅かったせいか練習中何度かミスをしてしまった。
いつもより睡眠時間が短いと練習に支障を来す、ということを改めて思い知らされた。




「準さん、大丈夫?変なプレゼントでももらったとか」

「何でもねぇよ。てかそんなことじゃ凹まねぇし」

「けど!!あんま寝てな・・・あ」

「ん?どうした利央・・・っ」




準太と利央が校門を見たまま言葉を失った。
3年生は2月から自由登校になって殆どの生徒が学校に来ない。
既に合格して進学先が決まっているなら尚更。


なのに、校門の前には島崎が1人でいたのだ。




「「慎吾さん?!」」

「・・・お前らすっげぇバッテリーだな」




苦笑しつつ、島崎は2人のもとへ歩みよった。
どちらかといえば準太の方に寄っているが。




「利央、こいつ借りて良いか?」

「ど、どうぞ!!じゃあ俺はこれで」

「え、あ利央」

「準太、」



利央が走って行ってしまったのを確認してから、島崎は準太を抱きしめた。




「し、慎吾さん!!」

「誕生日おめでとう、準太。2回目だけどな」

「ありがとうございます・・・」




ここが校門の前だということを忘れ、準太も島崎の背中に腕をまわした。
最終下校ぎりぎりまでいるのは野球部だけなので、それほど気にすることでもないのだが。
ゆっくり抱き締める力を弱めた島崎は準太の左手を握って歩きだした。
置いて行かれないように、準太も島崎の隣に並んで歩いた。




「プレゼントなんだけどさ、」




そこで言葉が途切れたのでどうしたのかと振り向くと、唇を奪われた。
ちゅっ、とわざとらしく音をたててそれはすぐに離れた。





「まだ用意できてないからこれで我慢な?」

「何スかそれ」




口ではそのようなことを言っているが、内心嬉しくて堪らない。
でも絶対に本当のことを今は言わない、と準太は思ったのだった。




本物のプレゼントを貰ったら、どんな反応してやろうか。







*あとがき*
―――――――
準太、誕生日おめでとう!展開がべたすぎてホントすんませんっ;;
代替品っていうと、それで済ませちゃう感じがしますが…後に本物のプレゼント貰えます。
書きませんが、それなりに良いものをもらっているのではないかと思います(^^)
折角の誕生日なのに少し暗くてごめんね、準太(ぉぃ)愛はありますから←
→09.02.02

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