CP,all

□俺と君の差
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隣を歩いている阿部をちらっと見てみた。
4月に会った時に比べて背、だいぶ伸びたよな。
あの頃は俺と大して変わらなかったのに。
俺だってこれでも伸びた方だ。だけど、阿部とは5p以上差がある。
それって、思っていたよりも大きかったんだよな。その差が俺には・・・




「栄口?」

「・・・っ?!え?」

「そんな驚くなよ。たく、なんつー顔してんだ、お前は」



阿部に顔を覗き込まれ、かなりドキドキした。
タレている目が俺のことを見つめていて。(凝視されている)
そんなに見なくても良いだろう。てか今俺どんな表情してんだよ。




「あ、阿部・・・」

「困ってるように見えたのは俺の気のせいか?」




俺が阿部との身長差を考えていた時の表情がそう見えたのかな。
困ってたというのも強ち間違っているとは言えないんだけど。
何だか、寂しいなと思ってのも本当のことで。
こんなこと言ったら阿部に笑われるかもしれない。





「何かあるなら言ってみろよ、な?」




あぁ、そんな風に言われちゃったらもう言うしかないじゃないか。
俺は先程思っていたことをそのまま阿部に伝えると、案の定笑われてしまった。
だから言いたくなかったのに。笑いすぎでしょ、阿部。




「笑うなよ!!」

「やべ、栄口可愛すぎんだけど!」

「可愛くねぇよ」

「いや・・・ホント可愛い」




直後、俺の視界には阿部の顔しか入らなかった。
ここが道の真ん中だと忘れているのか、そのまま唇を重ねてきた。
俺達以外、誰もいなかったから良かったけどさ。




「阿部の馬鹿・・・」

「身長差なんて気にすることねぇよ」




だから、ここは道の真ん中なんだって。背中にまわされた手を引き離そうとしたが、ビクともしなかったので諦めた。(力も俺より上かよ)
俺が阿部と比較して勝るものがあるのか、なんて思ってしまった。





俺と君の差

(意外とあるんだよな)







*あとがき*
―――――――
初めての阿栄です。最初は甘くしてみたのですが…いかがだったでしょうか?
ネタバレになってしまうのですが、美丞戦後阿部君大きくなったので、きっと栄口よりうんと大きくなったんだろうな、と。
5pって意外と差あるんですよね。女の子同士じゃあまり気にしないかと思いますが、男の子だと、ね。
栄口だって決して小さい方ではないですけど、阿部君に差をつけられたら寂しいと思うかなーなんて(ぇ
阿水先に書くと友人に宣言したのになぁ・・・いや、近々書きますけど。
→09.02.21

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