鋼/錬

□ウソだよね
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何年かぶりに怖い夢をみた。
霊とか事故とか死ぬよりも、多分もっと怖い夢。
中尉が、軍からいなくなる夢だったかな。
彼女に限って、今そんなことするわけがない。


ない、よな?



いつもどおり出勤すると、既に中尉は来ていた。

「おはようございます」

「あぁ、おはよう・・・」

「どうかしました?」

「んー、変な夢をみて・・・」

中尉は私のことを心配してくれているではないか。
部下として、だろうけど。
それにしてもあの夢は何だったのだろうか。

「変な夢、ですか?」

「大事な部下が1人軍を辞める夢」

「あら。その夢、正夢になりましたね」

「はい?」

私が素っ頓狂な声を出すと、中尉は1枚の紙を差し出した。
すごく、嫌な予感がした。

「私、今日で辞めるんですよ」

「はっ?!き、聞いてないぞ、そんなこと」

「急に決まったことなので。それじゃ」

「ま、待ちたま・・・」

え。と言う前に中尉は部屋を出て行ってしまった。
あまりにも急すぎないか。
相談もせずに私の元から去るなんて。(ちょっと違うかな)


ついさっき置いていった紙を見るのを忘れていたことに気がついた。
これを見れば、理由はすぐに分かるはず。
そう思って紙に視線を向けた。


「ん、んん?!」

何故だろう。この紙には一言も辞めるだなんて書いてない。
その代り、『ドッキリ大成功』と書かれていた。


だ、騙された!!


しかし、こんなウソをついた理由が分からない。
偶々目が合ったハボックを呼び出した。

「なぁ、今日って何かあるのか?」

「大佐ぁ知らないんすか?エープリルフールですよ」

そうか、今日はエープリルフールだったのか。
分かった途端、怒りが込み上げてきた。
中尉は一体何処へ行ったのだろうか。


戻ってきたら、タダじゃ済まないぞ・・・・・・



*あとがき*
―――――――
私がロイアイを書くと、何故かあまり甘くならないようです(泣
ギャグのつもりです。西浦並みにすることは不可能なのでこれくらいで・・・。
ロイがものすごく可哀想ですよね。でも最後はちょっと黒くしてみました。
最後にハボックを出したのは気まぐれで、です(ぉぃ)久しぶりにハボック喋らせたな。
なんか一瞬島崎が出てきたのは誰にも言わないでください・・・
→08.04.26

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