鋼/錬

□約束だよ?
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先日、久しぶりに旧友に会って他愛ない話をしていた時、彼女から告げられたこと。
近いうちに結婚するから。微笑んで少し頬を赤くした彼女は学生時代からあまり変わっていなかった。
おとなしいけど凄くしっかりしていて、私も彼女に何度助けられたか。
きっと幸せになれるよ。そういう思いも込めておめでとうと言ってあげた。



「招待状が届いて・・・あの、ここにも書いてあるんですけどロイさんも一緒にどうかな、と」

「リザがいいなら、行こうかな」



なるべく隠し事はしない、というのが友人達との昔からの約束なので恋人ができたりしたら必ず報告している。
だから彼女は私がロイさんと付き合っていることを知っていて、それでロイさんも誘ってくれたというわけだ。



「じゃあ、来月のこの日、あけておいて下さいね」

「ん、分かった・・・」

「結婚式、か」



テレビや雑誌などでは見たことがあるのだが、実は一度も行ったことが無い。
友人達の結婚式に何度か誘われたことがあったのだが、どの日も都合が悪くて行くことが出来なかった。
今回はその日何もなかったからやっと行けるのだ。



「リザは行ったことがないのか?」

「えぇ。何度か誘われたことはあるんですけど・・・」

「忙しい、もんな」

「それはロイさんだって同じでしょ?」



ロイさんの頬に触れて彼をじっとみつめた。
暫くそうしていたら、ゆっくりと顔が近付いてきて・・・
唇にロイさんのそれが重なった。触れているところだけ熱くなってきた。
私のだけ熱くなっているのか、彼のだけ熱くなっているのか。
こんな時にどうでもいいことを考える余裕がある私はおかしい気がする。
唇が離れると、ロイさんは苦笑しつつ私の頭を撫でてきた。




「否定できないのが残念だ」

「ふふっ。まぁ今回は行けるわけだし」

「なぁリザ、」

「はい?」



今まで頭を撫でていた手が、私の左手に重ねられていた。
そしてその手を持ち上げて、薬指に口付けてきた。
口には決して出さないけど、恥ずかしくないのだろうか。
ロイさんは特に気にしていないようだから問題ないか。



「ロイ・・・さん?」

「今は無理だが、いつか・・・な?」

「え、えっと・・・」

「それまでここはあけておけよ?」



もう一度薬指に口付けて微笑んだ。この人は本当に・・・・・・
赤くなった頬を隠すために、ロイさんに抱きついて首を縦に振った。




約束だよ?

(幸せにしてね!)







*あとがき*
―――――――
更新するたびに久し振りって言っているのは気のせいではありません←
来月はロイアイの日がありますね。来月も更新頑張りもす…。
原作設定でネタが思いつかなかったので、現代パロに逃げました←←
かなり甘くなっております。うーん、これ6月にやった方が良かったのかな?
→09.05.07

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