CP,all

□春の悪魔
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「監督も花粉症だったとはな」



これから病院に行くらしく、急遽ミーティングだけとなった。
百枝が花粉症だと分かり、昼休みのことを思い出した巣山は栄口に耳打ちした。




「巣山ー!!」

「ん?あ、水・・・うさたん」

「へ?!」

「いきなりそれは・・・ふっ」



語尾にハートが付きそうな勢いで水谷のことをそう呼んだ巣山。
それを聞いた水谷は何のことだか分からず栄口を見ると・・・栄口は必死に笑いを堪えていた。




「え、ちょ、栄口?!」

「ヤバイ、ヤバイって!あはははは」

「さ、栄ぐ、ちくんが・・・こわっこわ・・・」

「とりあえず落ち着け、三橋」




三橋の肩にぽん、と手を置いて泉は俯いた。・・・呆れて顔があげられないだけだが。
いつの間にか沖と西広も栄口の近くで笑っていた。
笑っている本人達以外には何が起きているのかさっぱり分からない。
このままでは収拾がつかないので、泉は三橋の頭を撫でてから栄口のもとへ向かった。




「で、どうかした?」

「あー実はさ・・・」



話が終わると、泉はおもいっきり吹き出した。




「き、きもっ!!」

「言い出したのは巣山だからな」

「っくしゅん。あーそうだけど」

「ねぇ、さっきから聞いてれば皆俺のこと苛めすぎじゃね?!」

「ゲンミツに水谷は弄りやすい」

「田島の言うとおりだな」




とどめはタレ目の腹黒捕手の一言。それが効いたのか、水谷は花井の後ろに隠れてしまった。
花井は心底迷惑そうだったが。




「うー、俺以外に花粉症の奴は」



水谷はキョロキョロしながら皆の反応を待つ。
すると、部員の殆どが手を挙げたのだ。
逆に挙げていないのは、三橋,田島,栄口だけだった。




「いっぱいいるじゃん!なら俺みたいに目赤くなる奴だってい」

「水谷うる・・・っくしゅ!!」

「い、泉?目、赤・・・」

「言うな馬鹿ぁっくしゅ!!」

「おい、大丈夫か泉?」




阿部が顔を覗き込むと、ぷいと顔を背けられてしまった。
自分が水谷と同じようになっているとは思ってなくて機嫌を損ったのか、と思い阿部はそれ以上何も言わなかった。

春の悪魔は誰でも関係なく襲うようだ。
今年の奴の勢いは半端ではない。







*あとがき*
―――――――
約1年ぶりの更新です、西浦ーぜ(苦笑)1回書くとどれよりも長くなりますな;;
今回は春になる人が多いあれです。そう、花粉症。私も軽いですがなってます。
普段あまり出さない3組を頑張って出してみました。彼ら動かすの楽しいですな^^
だけど…キャラ壊れててごめんなさい。特に栄口と巣山が別人です←
目が赤くなってる泉君と文貴…可愛くないですか?(知らん)…すんません。
→09.03.16
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