書物

□疑惑
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「高杉!!一緒に帰ろー!!」


放課後の学校でいつもの日課の様に、俺は高杉のクラスに足を運んだ。

「!?」


教室を覗き込むなり信じられない光景に俺の思考は経たれてしまった。


「…ぎ、ん時…」


夕日が入り込む教室で、高杉と桂が抱き合いキスをしていた。
俺の声に咄嗟に二人は離れても、見てしまった現実は消す事が出来ない。

「な、…何してんだよ!?」

「何だよ?別に驚く事じゃねぇ〜だろ?」


悪びれる様子の無い高杉に怒りが込み上げ、気付けば俺は高杉を殴り倒していた。


「人の事、馬鹿にすんのもいい加減にしろよぉぉぉ!!」


いたたまれず、その場から走り去る中、目頭が熱くなり涙が溢れて来る。




「…な、んでだよ!?高杉!」

ボロボロと溢れて来る涙に、外に出る事が出来ない俺は屋上に付くなりその場にしゃがみ込んでしまった。



高杉と付き合ってるって思ってたのは、俺だけかよ!!




悲しさと悔しさに涙が止らず、ただただ、西の空に沈む夕日を眺めていると、屋上のドアが開いた。


「やっぱり、ここか…」

「…高…杉…」


来る筈の無い高杉の姿に戸惑いの色が支配する。
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