書物
□禁じられた愛情
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今日は、親父の再婚相手に会う日…
はっきり言って、俺の実の母親らしい…
幼過ぎた俺には、全くと言って良い程記憶に無い…
『禁じられた愛情』
顔合わせをする為と言っても、久しぶりの全員の再会に、高級レストランに連れて行かされ、実の母親が来るのを、父親と二人で待っていた。
「晋助、ちゃんとにカーラーまで閉めなさい。」
「ヤダよ!つか、何で学ラン着てこなくちゃいけねぇんだよ?別に赤の他人って訳じゃねぇんだろぉが?」
「馬鹿者!母さんに、ちゃんとしたとこ見せなきゃ駄目だろ!後、お兄ちゃんも来るんだからな!」
「んな事言われても、兄貴なんて実感わかねぇよ!!」
親父の話だと、俺より5つ年上の兄貴がいるらしい…
そんなこんなしていると、親父が誰かに気付いた様子。ふと、視線を流せば、そこには、中年女と銀髪のテンパが近付いて来るのが見えた。
「待たせちゃったわね!晋ちゃん?すっかり大きくなって…。本当にごめんね…」
俺の顔を見るなり涙ぐむ中年女…もとい、俺の母親。
その横で、母親の背中に手を掛け『座ろよ。』と促す銀髪ヤローが目に入り、視線が外せない。