書物

□禁じられた愛情
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「これでまた、4人一緒に暮らせる訳だ。」

にこやかに笑う3人とは違い、俺にとっては初対面に等しい…

「晋ちゃんは、俺の事覚えてる?銀時って言うんだけど…って言っても無理か…あの頃、晋ちゃん2歳だったもんね。」

正面に座る銀時が、何か言っているが、今の俺にはほとんど聞き取れていない。

フワフワの銀髪に紅い瞳のせいなのか、白い肌が浮きだって見え、初めて人に対して『綺麗』だと感じた。

所謂、一目惚れってヤツだ…
実の兄貴に心臓の鼓動が早いのが分かる。


そうこうしている内に、時間は過ぎ、来週から一緒に住む事になり、引っ越しの手伝いをする事になった。










「晋ちゃん、そこの棚の中の物箱詰めしてよ!」

銀時の家で引っ越しの支度をしている。頼まれた物を箱に詰め、外へと運び出す作業に少々うんざり気味。

「これも出しちゃって良いんだろ?」

銀時に物を見せるとコクコク頷いている。

「つかさ〜、兄貴新米教師なんだな?」

「まあね!もしかしたら、晋ちゃんの所に行かされるかもね?」

ニッコリと笑う銀時に、不覚にもドキリとし、箱につまづいてしまう。
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