日向 ぼこ

□ЯΛΙVU[ライヴ]〜出会い編
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 彼らと出会ったのは中三の初め、同じクラス。
教室の中でも特に目立っていた三人組。
肩に届くくらいの真っ黒い髪。前髪も前が見えないんじゃないのかと思うほど長い。ミステリアスな雰囲気を漂わせている、本宮優夜(モトミヤ ユウヤ)。
クールぶってて、しっかり髪をワックスで整えている三人の中で一番背の低い、赤田来來(セッタ ライキ)。
明るくて人懐っこいお調子者で女好きとウワサされる、北村晄(キタムラ アキ)。

この学校の中では知らない人はいない。何かと有名な人たちだった。
そりゃあ外見でってこともあるけど、かなりの問題児トリオだったのだ。

えっ?語ってるお前は誰だって?
紹介が遅れたわね。私の名前は山上紫亜(ヤマガミ シア)。
おとなしい性格で休み時間は教室で絵ばかり描いてる内気な女の子よ。

ある時だった。
北村晄が声をかけてきた。
この日は朝から雨で、歩いて学校に通っている私は傘をさしていたのだが少し濡れてしまった。
「お前濡れてない?傘さしてた?」
私はうなずいた。
晄は私の髪を撫でながら言った。
「なんか色っぽーい」
そして去っていった。
なっ、なんだ?何なんだ?色っぽいって口説いてんのか?
いや、うぬぼれるな私。晄が私なんか口説くはずがない。
私は首をふった。


「宮ちゃん、あいつ一人で何やってんのかなー?」
晄が私の席から離れた窓のそばで、私を見ながら本宮優夜に言った。
もちろん私には聞こえていない。
優夜はちらっと私を見た。
「さぁな。何やってんだろうな」
「おもしろいんだよな。あいつの行動」
晄が笑いながら言った。
優夜が呆れて聞いた。
「まさか、最近ずっと山上のこと見てたのか?」
晄は笑顔でうなずいた。
おもしろいねぇ・・・。
優夜はふぅーとため息をつきながら思った。
あんな暗いやつのどこに興味がわいたんだか・・・。優夜は絵を描く私を見てから、窓の外を眺めた。
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