日向 ぼこ

□ЯΛΙ∨U[ライヴ]〜高校生編二学期
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 「勝手すぎよ」
ライブハウスの近くにあるファミリーレストランでオレンジジュースのグラスを持ち、目の前に座る男に言った。
「ダメ・・・だった?」
目の前に座る男、優夜は悲しそうな顔で目をうるませながら聞いた。
「うぅ・・・」
私がそういう表情に弱いの知ってるでしょ!
絶対わざとだ。
「別にダメじゃねぇけど、相談くらいあったってよかったんじゃねぇか?」
私の右隣に座る来來が言った。
「そうだぜ。なんで一人で決めちゃったんだよ?」
私の左隣に座る晄が言った。
百合子はピアノのお稽古があるので帰りました。
で、今三人で優夜を責めている最中なのです。
「いいじゃんか、別に。俺たちもそろそろ多くの人たちの前でやってもいいじゃないかと思ったんだよ」
開き直り気味で優夜は言った。
「ということで、紫亜。新曲、よろ♪」
「よろ♪、じゃないわよ。あるのじゃダメなの?」
私が聞くと優夜はにっこり笑って頷いた。
「一曲だけでいいからさ」
「あっそう」
私はため息をついた。
これはまた、大変なことになりそうだ。
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