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□時々は、忘れて。
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拠点にて。
戦いも 一段落し、今宵は宴。剣士も 騎士も ラグズ達も 羽目をはずして 騒いでいる。

数々の料理が並ぶテーブルでは、スクリミルとアイクが 皿を掻っ込むようにして料理を たいらげていく。
「すげぇな、ガリアとほぼ同じ量 喰うなんてよ。」ウィスキーを飲みながら
半ば呆れ顔で ティバーンが言った。
「さすがアイク、とでも言えば良いか。」
「いや…あっちの方がもっとすごいぜ。」
ライが言った。
「あっち?」
ライが見つめる先に目を向ける。
「……。」
ティバーンが絶句するのも無理はない。
そこには、スクリミル達と変わらない速さで やはりほぼ変わらない量の料理(主に肉)を食べている少女がいた。
「…何だ、普段 銀の斧とか振り回してんのか、あの娘は?」
「いや、あいつは 魔道士だ。」
「……。」


十一皿目のステーキを食べ終え、十三杯目のスープを飲みながら、イレースは
辺りを見回した。
彼は どこかに行ってしまったのだろうか。
イレースが探している人物の姿は見当たらなかった。

「…できれば、一緒に食べたかったのに…」
イレースがそう呟いた時。入口の方に、ちらりと人影が見えた。

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