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□男泣かせの雷魔道士。
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(……本当、いつまで食い続けるつもりだ……?)
この店に入ってから 結構な時間が経っている。が、イレースの勢いが衰える様子は……ない。
「シノンさん…は……食べないんですか…?」
「いや……遠慮しとく。お前見てたら 腹一杯になった……。」
コーヒーを飲みながら シノンが言った。
「……そうですか……?」イレースは首を傾げて、それから また食べ始めた。

「ごちそうさま……でした…。」
イレースがそう言ったのはシノンが 二杯目のコーヒーを 飲み終わる頃だった。


店を出て、シノンは財布の中身を確認した。
空っぽ……という訳では無いが、かなりの出費だ。
(…拠点帰ったら、弓作んねぇとな……)
「あの……シノン、さん……」
「ん?」
「……よろしければ、またご一緒させて…下さい…」イレースはにっこりと 微笑んで そう言った。
「…………………あぁ。」「楽しみに……してます……!!」


「反則だろ……あれは。」あの笑顔が見れるなら、何度弓作りをしても 悪くないかもしれない、とシノンは思った。

END



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