§おまけの詩§

□身長差の恋 おーぷにんぐ
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それは、まだアイツと私の身長差が、逆だった頃のお話。

私が、今よりやんちゃガールだったお話。

アイツが、私より小さくてか弱くて可愛らしかったときの、お話。


【身長差の恋】 おーぷにんぐ 変わったモノ


私の名前は柊萌鈴(ひいらぎ もえず)。変な名前だけど、本名。今馬鹿にした奴、出て来い。
私はこんな変な名前だから、―付けてくれたお母さんは、可愛いと思ってるらしい。字は可愛いんだけどね―
小さい頃から近所の悪ガキに相当苛められてた。
でも、お父さん譲りの喧嘩っ早い性格な私は、泣きもせずに立ち向かったっ!!
その所為で、小さい頃から生傷が絶えなかった私。ついでに、悪ガキとの喧嘩は、連日私が勝利した。
「何で女の子が毎日毎日生傷作って帰ってくるのーっ!!」って、お母さんは毎日怒ってた。
正直、アンタの所為だろ、と言いたかったけれど、其処は出来ている私だから言わなかった。
喧嘩ばかりではあるけど、平凡な毎日が過ぎようとしてた、小学校3年生のある日…。
私は、ソイツと出会った。
小学校が終わって、赤いランドセル背負って帰っていく下校の道。
何時もなら悪ガキが復讐にやってくるのに、―その時から既に、私と悪ガキは喧嘩友達になっていたっけ―
その日に限って誰も来なくって…。
ちょっと退屈ではあったけれど、苛められないならいいやと思って帰っていたその時だった。
「やーいやーいっ!!お前、男の癖に女みたいな名前してらぁーっ!!」
「やーいやーいっ!!おかまーっ!!おかまーっ!!」
「おまかーっ!!」
「いや違うから、おかまな、おかま」
後ろから唐突に聞こえた、お馴染みの声に私は振り返った。
何時もの悪ガキ達が、誰かを囲ってその子を罵倒していた。
また名前の事で苛めてんのかっ!!って思って、私はランドセル背負ったまま駆け出して―――
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