捧げもの
□夜遊び
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やがて、フォックスを乗せたスポーツカーは先程のショッピングモールのあった町よりもさらに派手なネオン街の街に入った。カジノやホテル、高層のオフィスビルなどが立ち並んでいる。
「随分派手な街だな」
「グロードウェイのダウンタウン地区だ、下からよりウルフェンで上から眺めたほうがもっと良い」
「確かにそう思う」
そして、ウルフはとある駐車場に入った。周りには高級車やリムジンが停めてある。
「ウルフ、ここ何処なんだ?」
「ここはアミューズメント施設だ、カジノもあるがまだガキのお前には合わねえかもしれねえがな」
「ガキって言うな! それに俺、ギャンブルなんてやったこと無い」
「じゃあ、こっから歩いて帰るのか?」
「そ、それだけは勘弁」
フォックスに選択の余地は無かった。車から降り、ドアを閉める。
「ちょっと待っててくれ」
フォックスは車のボディーによりかかった。ウルフがエンジンを切ってからそう経っていないのでボディーが熱い。
「待たせたな」
用意が整ったウルフは運転席のドアを開けて降りた。しかし、ウルフの方に振り向いたフォックスは驚いた。なぜなら、ウルフが眼帯ではなく漆黒のサングラスをかけているからだ。
「ウルフ! イメチェンしたのか!?」
「ここで眼帯なんかしてたら怪しまれるだろ、それぐらい考えろ」
普段眼帯のウルフのサングラス姿は見たことがなかった。通信の時や戦闘時の時も常に眼帯をしかしていない。だが、現にウルフがサングラスをしているのだ。
「サングラス姿も似合うな」
「……行くぞ」
フォックスはウルフの後について行った。