捧げもの
□ケープビーチでサーフィン
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幸いケープビーチにシャープクロウはおらず、いるのはハイト族と餌を探すスナップラックぐらいだ。
「フォックス〜、見ててよ」
「こらこら、危ないぞ」
ハイト族の頭に乗ったトリッキーは、水面と高さを見比べる。そして、トリッキーは勢いをつけてそこからジャンプをした。トリッキーの体は一回転し、そのまま海へと落ちた。トリッキーは水面から顔を出し、口に含んだ海水をフォックスの顔にぶちまけた。
「ねえねえ、フォックスどうだった? 僕のローリングダイブ?」
フォックスはトリッキーにぶちまけられた海水を手でぬぐい、トリッキーを両手で押さえつけた後、その小さな体を沈めた。
「今ののお返しだ」
フォックスはもがくトリッキーを引き上げた。
「ハァ〜、ヒドイよフォックス」
「おあいこだ」
フォックスはトリッキーを離した。
「フォックスー、波が高くなってきたよ」
「おっ、サーフィンでもするか?」
「何それ?」
「まあ、見ればわかる」
そう言うとフォックスはPDAでペッピーにつないだ。
「ペッピー、サーフボードを転送してくれないか?」
フォックス、任務中に娯楽は許さんぞ!
「トリッキーにサーフィンを教えたいだけなんだ、頼むよ」
全く、今回だけじゃぞ
呆れたような表情をしながらペッピーは通信を切った。そして……
「いって」
フォックスの頭上からは純白のサーフボードが落ちてきた。そのまま海に落ちたサーフボードは波に揺られている。フォックスは片手で頭を擦りながらもう片方の手でサーフボードを引き寄せた。
「あの親父、全くひどい奴だ」
「そうカリカリするなよ」
「うるさい」
フォックスはトリッキーを両手で掴み、サーフボードの先に乗せた。フォックスはサーフボードに乗り、ニードパドルをした。