詞
□願い
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あなたには足がある。それなのに何故自分で歩こうとしないの？
あなたには手がある。それなのに何故今年は編物をしないの？
あなたにある口は、何故自分で自分を苦しめる言葉しか出ないの？
あなたにある耳は何故こっちの言葉を聞いてくれないの？
何故？何故？何で？？
貴方には、歩ける足があり、物を掴める手があり、話せる口、聞こえる耳があるのに。
何故貴方は、動こうとしないのですか？
何故口を開けば自意識過剰な被害妄想の様な言葉しか出ないのですか？
私たちが言う言葉は貴方には何故伝わらないのですか？
聞いてください！私の言葉を、私たちの言葉を。
戻って下さい。昔の貴方に。昔のよく買い物に行っていた、嫌々料理をしていた、良く笑う神に祈りを捧げていた、話を聞いてくれた昔の貴方に。
あなたは変わり果てました。今のようなただ生きているだけのあなたは嫌いです。戻って下さい。戻って来て下さい。
大好きだった昔の貴方に。
戻ったら、治ったら、貴方の好きな花を見に…散歩に出かけませんか？
早く昔の様に話をしたいです。貴方に教えて貰いそびれた、編物をしながら。