マロン小説

□*LOVE U
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言葉では表せないくらいの気持ちは
どうやって伝えればいいんだろう。



"好き"なんて言葉じゃ軽すぎて、
"愛してる"なんて言葉じゃ足りなくて。



溢れ出す気持ちを
持て余すだけの僕は
いつも空回り。



「悟天?」



名前を呼ばれただけで
嬉しさや切なさが込み上げて、
何故かどうしようもなく
泣きそうになる。



「どうかした?」

「…ううん。なんでもない。」

「そ?じゃあ勉強、続けるよ?ここは…」



難解な数式を解くその声が
鉛筆を握るその指が
少し伏目がちなその瞳が
兄ちゃんの総てが
どうしようもなく欲しくてたまらない。



「兄ちゃん、」

「ん?」



だけどまだ、
僕はこの気持ちを伝える術を知らないから。



「…ううん。なんでもない。」

「そればっかりだな、悟天は。」



今だけ兄ちゃんの笑顔を見られるこのポジションで
もう少し我慢する。
だけど、
必ず伝えてみせるよ。



"大好き"
だって。



END.

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