short story
□Happinest
1ページ/4ページ
何時どんな時も私に幸せを降り注いでくれる人―。
【Happnest】
『寒っ!なにこれ!寒すぎっ!何とかしてよ景吾〜!!』
ーもぅ本格的に寒くなったこの頃。
冷え性の私にはかなり過酷な季節だ。
私は体を縮ませながら彼氏である景吾に無理難題を押し付ける。
「アーン?冬なんだから寒くて当たり前だろうが」
『そんな事言ったって寒いんだもん!デートどころじゃないよ!凍死しちゃうよ。凍死!!もぅ帰りたい〜!!』
「バーカ。お前はいちいち大袈裟なんだよ。それに寒い代わりに色々とイベントがあるだろうが。」
少々呆れながらも繋いでいた手の力を少し強めてくれる。
―こう言う不器用な優しさが堪らなく幸せだなとしみじみ思うんだ。
『んー確かにクリスマスとかお正月はいいけど…やっぱり寒いのは何とかしてほしいよ…』
私が凝りもせず何度も寒い寒いと言っていると――
「…そんなに寒いのか?」
と歩いていた足を止め、突然聞いてきた。
私が極度の冷え性だってこと、景吾が一番理解してるはず、なのに。
_