short story
□繋いだ視線
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『景吾、今日朝練でしょ?そろそろ準備しないと遅刻しちゃうよ?』
「……」
『け〜ご〜?』
私の呼び掛けに答えることなく、するりベッドから抜け出し、無言で立ち上がった景吾は机に置かれた携帯を手にして、何処かに連絡を取り始めた。
「もしもし…」
何を話しているかは分からなくて、私の頭の上にはひたすら?が浮かぶ。
『どうしたの?』
「監督に今日の部活は休むと連絡しておいた。」
『えっ?何で?』
「…んなの決まってんだろうが。」
ベッドに座っている私に合わせるように立っている景吾の姿勢が低くなる。
「…今日は一日中お前を見つめていたいんだよ。」
景吾の綺麗なアイスブルーの瞳が私と絡まる。
途端に落ちてくるのは噛みつくように贈られた甘い甘いキス。
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