千月的徒然草

□Case3:恵
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「何でもないんだ。ただちょっとこの先の話をしようとしたら、敬がネタバレはやめろって。」

「あー、でもその気持ちわかるー。私もさ、読みながら推理して楽しんでるときに横からいきなり、『犯人はこいつだよ』って言われたことあってさ。お前えぇえぇ!って感じじゃない?もうそいつ、半殺しの刑だよ。」

「あはは、百合ちゃんは過激だなー。」

二人でまた笑いながら話していても、僕の心はずっと敬を気にしていた。


毎日一緒に登下校するようになって休日も三人で遊ぶことが多くなった。
UNOだったり、ウィンドウショッピングだったり、こうしてお茶をすることだったり。

でも、僕たちはいつも三人で。
それ以上の関係になることを恐れている。
二人になるのを恐れてる。
今の時間が幸せすぎて、壊すことができないんだ。
僕も、敬も、もしかしたら、百合ちゃんでさえも。
そう言えば、こんな歌があったな。
『午後のお茶を飲む
彼と 彼と ……彼女 』
うん、まさにそんな感じ。
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