生きていればいつか必ず来る『別れの時』


想像するだけで、この幸福感を恐怖心に変える
今のイザークは、まさにそれだ


今日がオレの誕生日だから
余計に、色んな感情に乱されているのだろう
たまに情緒不安定になる
お互いに、だけど


「イザーク、勘違いすんなって。オレはオマエを好きになってから、後悔したことなんてねえよ」


この関係に、障害はいつだって付いて回る
覚悟はしていたけれど、イザーク自身からその火種を持ち出されると正直キツイ


「オレはオマエとの間に何かを残したいわけじゃないし、その『残るもの』が欲しいわけじゃない」


きっとイザークが言いたいのは
このままではオレが将来、子供を持てないということ


自分が何も残せないことへの自責だ


オレが、子供好きなのを知っているから
余計にそれがイザークを苦しめている


でも、そんなものじゃなくて


「オレが欲しいのはそんなんじゃない。必要なのは、イザークだけだよ」



自分の思いが大きすぎて
伝えたい思いが溢れすぎて、こんなにも苦しい



「それをさ、わかってよ…頼むから」



何度も何度も、心の底から、自分の正直な本音をさらけ出しても
イザークは首を縦に振らない



どうして、伝わってくれないんだろう



イザークだって苦しんでる
それは、痛いほどわかる

オレを思っての事
オレを愛しているからこそ、オレのためにと考えてる



でも



愛してくれてはいるけど




信じてくれてはいないってこと?



そう、感じずにはいられないから
時々本気で寂しくなる



こんなに、正直な気持ちをぶつけているのに



きっと、これから何度も
こういったやり取りは続くんだと思う

これは、そういう関係
同性で愛し合った者たちの宿命


オレたちが、選んだ道だ


イザークは、その道をオレと歩むのを怖れているのかもしれない


でもオレは、そんなの痛くもない
これくらいのことでイザークが手に入るなら
なんだって耐えられる




そう言ったって、イザークがオレのものになるかなんて不安だけど




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