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□山茶花
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雨に濡れた山茶花の蕾が
少し揺れて 泣き顔に見えた
すれ違う貴方の香りに
懐かしさを覚えていたんだ
それは温かい雨の日の記憶
貴方の背後に咲く山茶花
艶やかな紅色と蜜の香り
泣き顔だったのは貴方の方だったね
もう此処には貴方の香りは無いよ
置き去りにしたのは 僕なのに
手を伸ばしてみても 届かない
途切れた二人の夢 消えゆくの
それは温かい雨の日の記憶
貴方の背後に咲く山茶花
艶やかな紅色と蜜の香り
泣き顔だったのは貴方の方だったね
いつしか貴方の瞳を
真っすぐに見つめられなくなっていた
気付いていたのかな
離れていく僕を
許さなくていいよ
もう此処には貴方の香りは無いよ
いつでも傍にいた筈なのに
抱き寄せてしまえば壊れそう
せめて涙の理由を忘れさせて
忘れていいよ