□貪欲な僕、全て君のせい
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「お菓子ちょ―だい?」
まずコレが今日の彼女の第一声。
語尾にハ―トマークを付けて、期待に満ちたその瞳で俺を見つめている。
「…お前朝飯食ってこなかったのか?」
「食べたわよ?」
「じゃあなんで会うなりいきなり『お菓子v』なんだよ」
「だって今日“ハロウィン”じゃない!」
「…‥ハロ―、ウィン?」
「星野…もしかしてハロウィン知らないの?」
「なんだよ?その“ハロウィン”ってのは?」
「え…そっか。キンモク星にはなかったんだ」
ただでさえ大きい目なのに、ぱちくりさせるものだからさらに大きくなる。
そんな彼女の綺麗な瞳に俺が映っているのが見えるくらいだ。
「そんな…勿体無い!!ハロウィンを知らないなんて人生の半分を損してるようなもんよっ!」
「そ…そうなのか?」
堰を切った様に喋る彼女の勢いに圧され気味な俺。
人生の半分を損してるなんて..おだんごに出会えた時点でもう一生分の幸せ手に入れた気がするんだけどな。
でもそこまで言われると気になる…よな
「で、結局なんなんだよ。そのハロウィンってのは」
「ハロウィンはね“お菓子祭り”よ!!」
「お菓子祭り?!」
「子供は大人からお菓子をいーっぱいもらえるんだから!もしもらえなかったらイタズラしていいのよv」
「まるでおだんごの為にあるような祭りだな 笑」
「もう朝からいーっぱいもらっちゃった♪」
「げ、、それ全部かよ…?」
「当ったり前でしょ!ママと、まこちゃんと、亜美ちゃんと美奈子ちゃんがくれたんだ−v」
「そんなに食ったらまた太…‥らないか。。なぁ、お前いつもあんだけ食っててなんで太らないんだよ?」
まじまじとうさぎの体を上から下まで見つめる
「ちょ、そんなに見ないでよ///・・・あ!だから星野もお菓子ちょうだい?」
「どっから『だから』に繋がるのかよく分かんねぇけど…;;
ほらっ」
「え…え!?星野ホントにお菓子持ってたのね…なんかこういうの普段からあんまり持ち歩きそうにないのに‥」
「今日はたまたま」
「え?」
「なんかどこに行っても菓子ばっかり売っててさ…ていうか、なんかコレおだんごっぽくて…‥やるよっ。この星野様からプレゼントなんて贅沢者め」
「本当っ!?…コレ‥もらっていいのっ?」
「もちろん」
「…変なモノでも入っていないでしょうねぇ?」
「失礼なヤツだな−;何も入ってね−よっ」
「へへっ ありがとう、星野!」
とびきりのキミの笑顔
本当はもうこれで十分なのだけれど
「お返しは?」
貪欲な俺は望んでしまう
“お返し”を―――