虹色のpiece
□漆黒へ落ちていく
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一松が死んでから1週間が経った。
棺に入って戻ってきた一松は所々に包帯が巻かれ痛々しい姿だった。
あの死んだ魚の様な目で毒を吐く一松は本当にもういないのだと悟った。
母さんと父さんは自室に篭って出てこない。
カラ松は兄弟のアルバムを見ている。
チョロ松はヘッドフォンを耳に当て周りの音が聞こえないようにしている。
トド松は一松がいつも座っていた部屋の隅で体を小さくしている。
十四松はいつも通り。
いつも通り過ぎて腹が立った。
「十四松お前は一松が居なくなって悲しくないのかよ!!」
十四松の真っ直ぐな目線が俺を貫く。
「僕だって悲しいよ。でも兄さんたちが追い詰めたんだよね?あの子も一松兄さんも」
真顔で言われてもう戻れない程取り返しのつかない重罪を犯してしまったんだと改めて思う。
「ねぇ、おそ松兄さん。重くないの?」
「はぁ?何言ってんだ十四松」
「だって」