白雪

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「いいじゃねぇか、個室は多い方がいいだろ?」
「プライバシーは守らねぇとな」
「さあ、渋谷君。いらっしゃ〜い」

やっとこさコンタクトを入れ終わり、携帯サイズの洗浄液をブレザーのポケットに突っ込んで鏡に映る自分の顔から目を逸らせば、鏡越しに目に入るこの状況。

明らかに真面目で善良な学生とは程遠い長身の学ラン男が二人。

その二人にがっつり押さえられる彼等とは別の学校の物だろうこちらも学ラン男。
そう“男”。
ここは女子トイレ。

「……」

状況を整理しよう。
大柄な男二人はどっから見ても不良と称される部類。
そいつらに捕まってる、不良組に比べれば小柄な少年。

そういえば鏡と睨めっこしてるとき妙に外が騒がしかった気がする。
集中していたから会話の内容はよく聞き取れなかったが、いじめというわけではないっぽい。


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