白雪

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だがわざわざ女子トイレに入ってくるということは、先程の会話から推察するに古典的な制裁を下すつもりだろう。
…便器の中に顔を突っ込ませるとか。

多分当たりだ。

一瞬友人の影響か別の予想も頭をよぎったが、リアルにはまず有り得ないことなので除外。

何はともあれ、是非とも関わり合いになりたくないシチュエーションには違いない。
しかし鏡越しに驚く約二名と困惑する約一名が映る。

そりゃそうだ、誰もいないかと思えば人がいるんだから。
私はいつまでも鏡を見ているわけにもいかず、腹をくくって正面を向く。

逃げたい。
でも人生そんなに甘くはない。
彼等が驚いたのも束の間。

「あらら〜先約ありか」

私の姿を見とめると一人がつかつか近付いてくる。
勿論でかい方の一人。


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