白雪
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160cmいかない私は、自然と見下ろされる形になる。
「白木高の子?へぇ〜頭良いんだね〜…」
「おっ、レベル高ぇ」
男は私の制服を見ながら、顔を覗き込んできた。
白木高は理数系の進学高だ。
加えて灰色を基調としたシックな制服は、割と人気があるらしく目立つ。
制服なんて大して気にしてなかったがこのときばかりはコンタクト同様、恨めしく思う。
目の前に立つ人間のあまりのくだらなさに呆れて言い返す気力もなく、何より面倒なので暫くだんまりを決め込むことにした。
ここは下手に口を出さない方が得策だろう。
「怯えちゃってかわいーねぇ」
どうやら目の前の男は私が黙ってるのを怯えているからだと判断したようだ。
心の奥底で溜息をつく。
そして何で怯えなくちゃいけないんだと突っ込む。
口には出さないが。
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