白雪
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木の葉が風に揺れて、柔らかい音をたてる。
鳥が細やかにさえずっている。
兄貴がたまに…本当にたまに聴く、ヒーリングミュージックが聞こえてくる。
…いくら“ヒーリング”ミュージックだからって大音量で流さないで欲しい。
私の部屋まで聞こえてくるんだから相当の音量の筈だ。
今私は心底眠い…
もう少し寝かせてくれてもいいだろうに。
それにしても、ベッドはこんなに凸凹してたっけ?
妙に暖かいのに湿っている。
それ以前にシーツの感触じゃない。
加えて頬を撫でるこの風は、どこから入ってきているのだろうか。
窓は朝に換気するまでは閉まっているはず。
「………い」
誰かが入った?
でもわざわざ窓を開けるわけが…
「……お…も〜い…」
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