白雪

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思えば幼少時、周囲(特に兄貴)が過保護気味だったせいか、親離れするのが早かった気がする。

準じて性格か気質か環境か、物事を悟るのも早かった方だ。

遺伝なのか論理的に考えをまとめてから行動することが多かったし、私も好んでやっていた。
でなければ理数系の進学校に通おうとは思わない。

そして、よっぽどのことでは驚かない神経が図太い奴だと自負している。
基本的に怖いものは何か、と問われても返答を用意できないタイプの人間だ。

…こんなことをつらつら語って何が言いたいかといえば、この状況はそんな私の思考を停止させられるだけのことだということ。

闇の中をただ、ひたすら落下している。
だが暗くはない。

幾千の恒星の如き粒子が瞬いて、私を横切る。
すう、すう、と光が私の後ろへと流れていった。
まるで宇宙空間を高速で進んでいるようだ。


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