白雪
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だがこの場の雰囲気はこちらの意思に反して険悪。
気を張らなければ、呑まれそうだ。
「……いつっ」
突如腕に痛みが走る。
ころりと足元に小石が転がった。
石を投げられた。
それに続くかのように次々と石が飛んでくる。
小さいといえども石。
痛いのには変わらない。
数が多いなら尚更だ。
沢山の石ころが私達に向かってきた。
体中を打つ痛みに耐え切れず、私はしゃがみ込んで頭を抱える。
これで痛みが軽減されるわけはないが、やらずにはいられない。
「だ、大丈夫?」
「…なんとか」
「……ちょっと、皆さん!?入場料払わなかったからって手荒過ぎやしません!?仮にも、女の子に石ぶつけるなんて紳士として…あ、女の人もいるか。とにかく!人として間違ってます!!」
渋谷君の説得(?)も空しく石は止まない。
この類の投石攻撃は大抵相手(つまり私達)が逃げるまで続くのがセオリーだ。
このまま座っていても攻撃が続く可能性は大。
「……くっ」
どうすればいいんだろう。
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