白雪
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こういうときばかり勘が当たるのもどうかと思う。
急いで彼の向かった方に駆けていくと、渋谷君と悲鳴の主を見つけるのに時間はかからなかった。
その悲鳴の主はといえば、なんというか…反応に困る格好をしていた。
シンプルなエプロンドレスに三角巾、手にはバスケットを持ったお姉さん。
無理に言葉にするならメルヘンチック。
素で突っ込むとしたら野外の、しかもこんな野っ原でコスプレしている変な人だ。
しかもくすんだ金髪に青い瞳。
彫りの深い西洋風の顔立ち。
「…外国人」
海外の方がコスプレしている…
いや、いやそういう方々がいるということは知っていたけど実際に見るのとは勝手が違う。
うん…まあ民族衣装だと思えばなんとか…
幸いにしてそこまでコアなコスじゃないし。
それにこの場の景色にはひどく合う。
寧ろ制服姿の私達の方が場違いっぽかった。
お姉さんの叫び声を聞きつけたのか、人が次々に集まってくる。
それもやはり全員外国人。
金やら茶やら薄い色素の毛髪がやたら目に入る。
「ねぇっ!どうしたの!?」
「どうもこうもっ話しかけただけだって!」
私が渋谷君に近付くと、周りの喧騒はさらに酷くなる。
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