白雪
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また沈黙。
でもヴォルフラムさんはまだ言うことがあるらしく…そしてそれは言い難いものなのか私の方を見た(睨んでいると言っても差し支えない)まま動かない。
何か言いたそうな人を前にして口を出すわけにもいかず、ここは待つしかなかった。
大人しく待っていると、彼は程なく口を開く。
「わる…かった、な」
労わる言葉よりも更に意外な言葉がその口から飛び出した。
「……なんだその目は」
「え、や、なんか驚いたもので」
彼のようなプライドの高そうな人が嫌っていた人間に謝罪するなんてどういった経緯の果てなんだろう。
「謝ったぞ」
「はい謝ってもらいました」
「確認、したな」
「…？ええ」
「なら誰に聞かれてもそう答えろよ！誰に、なんと聞かれようとも！ぼくは謝ったからな」
立て続けに叫んだからか、ヴォルフラムさんは言い終わると深く息を吐く。
この様子だと誰かに謝るよう言われたみたいだ。
…その相手は大体想像がつく。
確か叱るとはっきり言っていたし。
「ツェリさんに言われたんですか？」
「！」
図星らしい。
顔がみるみる青くなっていく。
「怒ると恐そうですしね、ツェリさん」