白雪

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でもどうせ答えてはくれないだろう。
それにまだ私の妄想だって可能性も捨てきれない。

「わっ、まだそれに拘るワケ?」

…拘らない方が無理だと思うんだが。
こんな幽霊みたいな奴と会話していること自体ありえないし、もし妄想なら私は(何度も言うが)一人芝居を打っている痛い奴だ。

「…ほんとひでー奴だなアンタ。幽霊じゃねぇって。確かに実体はないが、俺は幽霊なんかよりもっと高尚だぜ?」

そんなの知ったことか。
私から見れば半透明で宙を漂っている時点で幽霊と遜色ない。
借りてきた本を一冊選び、さっきまで男が寝転がっていたベッドに腰を下ろす。
ベッドのサイドテーブルに他の本を置き、私は本のページを開いた。

「おいおい、何読書体勢に入ってんだよ」

……読書するために決まっているだろーが。

「えー…ちょっとは俺の相手しろよ〜」

嫌だ。

「何で」

そっちこそ何で。

「暇だから」

じゃあ嫌。

「けちー」

…本当に何やっているんだろう私。
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