REBORN!

□「ありがとう。」
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「10代目・・・・今朝変な夢を見たんです。」

「え?どんな?」

「俺・・・イタリアにいたんです。」

「うん。」

「隣に女の人がいたんです。 とてもきれいな。」

「へぇ。で?」

「そしてら、その人急に消えちゃったんですよ。」

「へ?何それ?」

「わかんないんすよ。」

「そっか。変だね。それナツに話した方がいいよ。」

「へ?」

「ナツ、そういうの詳しいから。 それに彼女だろ?」

「そうですね・・・・・」

シュンとする

「大丈夫だよ〜別に弱みじゃないだろ?」

「へ?  そうですかね」

「じゃあ、俺ハルんとこ行くから。一緒に行こう?どーせアキとかと一緒だろうし。」

「はい。」

3−A教室

「はひ!ツナさんと獄寺さんです〜」

「やっ」

「ちス」

「どーしたの?」

ひょこっとナツが顔を出す。

「あのさぁ、獄寺君の話聞いてあげてくんない?」

「いいけど・・・じゃあ屋上行こうか!」

「はっはい!」

「で・・・・何?話の内容は?」

「あっ・・はい・・・」

先ほどツナに話した夢の内容をナツに話す

「え・・・・・ちょっといい・・・?」

「はい。」

そ・・・手を握る。

(獄寺の手の上にナツの手をのせる)

「・・・・・ 少しその女の人と話してみるね。」

「はっはい!」

『こんちには。獄寺君のお母さん・・・・・ですよね?』

『アラ。わかるのね。貴方隼人の彼女さん?うれしいわね、こんなに可愛らしくて。』

『・・・・・あの、あんな形で獄寺君と会って良かったんですか?』

『仕方ないの・・・。だって私もう、死んでるんだもん。』

『・・・・私に入って会いませんか?』

『え?』

キョトンとする

『私、霊感強いですから、大丈夫です。彼にも一応OKもらってきます。』

フッ

「どうでした?」

心配そうに顔を覗き込んでくる

「大丈夫。それより、今からお母さんに会ってくれない?アナタの」

「へ?」

「ずっとアナタが心配で天国に行けないの。だから・・・・」

「いやっス!!」

「え・・・・?どうして?」

「それは・・・・・俺が産まれなきゃ・・・母さんは死なずにすんだ・・・俺が・・・俺が・・・!!!」

パンッ!!!

「頬を叩く音が室内に響く

「馬鹿!アンタがそんな事言ってそうすんの?お母さん、悲しませちゃダメだよ!!」

「ナツさん・・・」

「いい?呼ぶよ」

パチンッ!

スゥ・・・・

ナツの体が25歳くらいの体にかわる

「母さん・・・・」

『隼人?大きくなっちゃってわからなかったわ。それにかっこよくなって・・・・』

「母さんは相変わらずキレーだよ。」

『ふふ。お世辞も言える様になったのね。』

「本音だよ。」

『ふふ。ねぇ、隼人?』

「何?母さん」

『母さん、死んじゃったの』

「知ってる。親父のせいだ」

『違うのよ。隼人。』

「違くなんかない!」

『母さん。死んでしまった事には後悔してる。』

「!」

『でもね。それは、アナタの成長をこの目で見れないことなの。でもあの人と一緒にいれて良かったとは思ってるわ。』

「なんで!」

『アナタが産まれた事よ。それ以外に何があるって言うの?』

「・・・・・母さん」

『あの人じゃなきゃアナタは産まれてこなかったわ。違う?』

「違わないけど・・・・でも、母さんが死ぬことなんかなかった!アイツのせいで!母さんは!母さんは!」


もう、すぎてしまった事はどうにもできないの。でも、これからアナタが幸せに生きてくれれば、私はとても幸せなの。わかる?』

「頭では、わかるよ・・・・でも・・・・」

『いいの。これが、運命なの。ね?一緒に受け入れよう?」』

優しく言う

「・・・・俺は・・・ずっと、自分のせいで、母さんが死んだと思ってた。」

『それは違うわ。隼人。母さんの体はなくなってしまったわ。でも、アナタの心の中にいる。ね?それのほうが素敵でイイでしょ?それに、体が近くにあっても、心がなきゃ意味がないのよ。』

「じゃあ、これからも、傍にいてくれんの?」

『当たり前じゃない。アナタが忘れない限り、私は、アナタとアナタの彼女の中にいるわ。』

「忘れねぇーよ!一生!」

『ふふ。イイ子に育ったわね?隼人。』

「たくさん、ボスや仲間がいるから!」

『そう。それは良かったわ。』

「母さん!」

『?何?』

「大好きだよ! そして!俺の事産んでくれてありがとう!  愛してくれてありがとう! 愛情を注いで育ててくれて!ありがとう!!!!!!」

力いっぱい声を出す

『こちらこそ。イイ子に育ってくれて、そして、産まれてきてくれて。ありがとう。ふふ。ほんとにありがとうね。』

スゥッとナツの体から消えていく

「ん・・・獄寺君・・・」

「あっ!ナツさん!大丈夫ですか?」

「うん。で、どうだった?ちゃんと話せた?」

「はい。」

ツーと一筋の涙が獄寺から流れ落ちる

「どっ!どうしたの?」

「いえ。 きちんと話できて・・・良かったです。」

ニコッと笑う

「そっか。きちんと話せたんでね。」

「はい。ありがとうございました。」

「ううん。じゃ、教室もどろっか。」

「そうですね。」


こうして獄寺はお母さんと無事話ができました








END

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