旅支度編
□No.15
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―――前回のあらすじ――――
兄の居るシンオウまで搭乗する事になったナギと、それに同行するミネ。
ところでアイリスから貰ったイーブイは…?
――――――――――――――
ナギ:「シンオウかあ…
寒いのかなあ…」
ラウア:「寒かったら任せとけよナギ!」
ナギ達はたわいもない話しをしながら寛いでいた。
しかしナギの腕に抱かれていたイーブイが、不意にスルリとナギのふところを摺り抜け、部屋の隅へ…
ナギ:「?…どうしたの…??」
イーブイ:「近寄らないで下さい」
駆け寄ろうとしたナギに対してキツイ言葉を言い放つ。
ミネ:「……」
ラウア:「なんだあ?;」
イーブイ:「僕、汚いですから。
汚れてるみたいで、触りたくもないでしょう?」
悲観的な言葉を冷たく言い放つイーブイに、
ナギは一瞬戸惑った。
ナギ:「…はい?;;
……いや、そんな事無いから…おいで?」
ナギはサッとイーブイの側まで寄ると、かがんで両手を差し出した。
しかし次の瞬間
[
ガリッ…]
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ナギ:「ΣΣッ…!!!!!」
イーブイが差し出されたナギの手に噛み付いた。
ミネ:「!」
ラウア:「Σテメッ!ナギに何しやがんだ!!」
イーブイ:「…ほっといて下さい」
プイッと後ろを向いて丸くなり、尚も冷たく言い放つイーブイ。
仕方無くナギは指の出血を止めながら引き下がった…
ナギ:「嫌われ…ちゃったかな…;;」
うつむきながらボソッ…とミネとラウアに小声で呟く。
そんなナギに首を振りながらミネも小声で答えた。
ミネ:「…体の色で群れからさイジメられてた…
それで自尊心が傷付いてしまって、あーやって捻くれてしまってるだけだす。」
ラウア:「…プライドって奴か……
まあ、あいつも雄みてーだし…そう言うのは強いかもな。」
ナギ:「…ん…ならいいけど……
・・・いや、良くない!!」
そう言うとナギは顔を上げ、
クロゼットの薬箱から消毒液と包帯を取り出し、自分で治療しながら呟いた。
ナギ:「だったら自信を取り戻してあげなくちゃ!」
ラウア:「…ど、どーやってだよ…?」
ラウアの質問に、
自信満々にニヤッと笑いながらナギは
ナギ:「……『愛情』!!」
と胸を張り答えた。
ラウア:「………;;」
ミネ:「…簡単ではないべ…?」
ナギ:「分かってる。
徐々に徐々に…心を開いてあげるの…」
だが実際にやった事は無い…
しばらくナギは自分のベットに座って、隅にいるイーブイを見詰めながら考えた…
ラウアとミネは気を利かせてか、船内を散歩すると二人で部屋を出た。