旅支度編

□No.15
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部屋にはナギとイーブイと…
未だに寝ているノアールだけ。


長〜い沈黙の中、やっとナギは切り出した…


ナギ:「…お腹…空かない…??」


イーブイ:「……。」


あははっと
ナギが笑い掛けても、
そっぽを向いたまま見向きもせず、何も答えない。


ナギ:「……;;
…あー…そうだっ
まだ自己紹介してなかったかも!!
あのね、……」


ナギは自分の事や、それまであった事を必死に喋り続けた。




軽く数時間が経過…


それでもイーブイからの返答は無く、
ナギは一人喋り疲れて来た…


ナギ:「「ん〜…;
こんなもんかな……
ってー…あたしの事はどーでもいいよね??
あははっ…
……
………
…………はぁ…;;」



イーブイ:「……。」


ナギ:「(T‐T)
((何か反応欲しーなぁ;;))」


イーブイ:「……。」


ナギ:「ぅ〜…
…あそうだ!名前!
ねぇ、名前付けてもいいかな…?」


イーブイ:「……。」

自分の事だから反応したのか、耳が微かに動いた。


ナギ:「よし、
うーん……
君は…抱っこした時…
とっても温かかったから…
“ソレイユ”…ってのはどーかな?」


首を傾げてじっとイーブイを見つめる。
反応こそはやはり無かったが、ずっと話しを聞いている感じはあった。


イーブイ:「……。」


ナギ:「あのね、ソレイユって言うのはね、その小説の、太陽の大地に住む王様なの!
容姿は幼くても、凄い英知を持ってるて言う〜…
持ち言葉は…“温和”」





イーブイ:「……。」


ナギ:「素敵な名前でしょ?ね?
よしこれで決まり!
…いいよ…ね?」


若干疲れて逆にテンションが上がっているナギに
対して、
イーブイはやっと重い口を開いた。


イーブイ:「………勝手に…してください…」



ナギ:「((…それって…裏返せばOKって事だよね…?))」


その言葉に取り敢えずホッとして、ナギは胸を撫で下ろした。



[ガチャ…]

その直後、
船内を散歩していたミネとラウアが戻って来た…


ミネが親指でイーブイを指しながら、
口パクで「どうだった?」とナギに聞く。

ナギは苦笑いの表情を作り、
若干崩れたOKサインを出した。


ふうんと浅く頷いたミネは、
別の話しを切り出す。


ミネ:「あー…船内でアイリスさんに会ったのだすが…
明日の朝から、ジョウトのコガネシティにさ…しばらく停泊するみたいだべ。」


その言葉の後に物凄い反応でベットから立ち上がるナギ。


ナギ:「コッ、コガネシティに
本当!?!?」


その興奮した大声に、思わずイーブイも振り返り、ノアールも目を覚ました。


ナギ:「うぉし!やったあっ!!!!」


ラウア:「ナギ……;」

ミネ:「……今度は何だべ…?;」




*続く*
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