遠征編4
□No.77
2ページ/4ページ
ラウア:「…金が…;;」
エーベル:「……人間の食いモンは高いみたいだな…」
そうこう言いながらしばらく歩いて行くと、テンガン山の入口が見えて来る…
クリンピュ:「…テンガン山の入口に着いちゃいましたけど…
何か…入っちゃいけなそうですね…?」
入口は鎖で閉ざされ、“立入禁止”と書かれた札が張ってある…
ラウア:「…立入禁止…?」
入口で立ち止まったラウア達は、
高々とそびえ立つ山肌を見上げた…
エーベル:「…どうする……」
ラウア:「…時間が無いからな…行くしかないだろ」
そう言ってラウアが鎖を跨ごうとする
「待ちな!…あんたら…字ィ読めねぇのかい…?」
三人『Σ…!』
突然ラウア達の真後ろから声がした…
振り返ると、一人の青年がこちらを見ている…
見張りだろうか…?
エーベル:「どうするラウア…;」
クリンピュ:「…」
ラウアは跨ごうとした足を戻し、真っ直ぐ男の方に歩み寄る…
ラウア:「……俺達…どうしてもここを通らきゃなんねーだよ…」
男:「…ふうん…
エラく真剣なツラじゃねぇか………
…じゃあ理由を話してみな…納得したら通してやってもいいぜ?」
クリンピュ:「あわわ…」
エーベル:「……」
ラウアは一段と真剣な表情で男を睨んだ
ラウア:「…俺達は……」
男:「なーんてな!!……わあったよ!
てっぺんまでは無理だが、途中までなら案内してやるぜ!
…この山ん中は相当入り組んでやがるからよ!」
そう言って、理由を話そうとした所を何故か遮り、ガハハっ!っと笑いながら男はラウア達を横切る
ラウア:「えぁ…!?
あ、ああ……助かる…ぜ…」
クリンピュ:「優しい人ですね?」
エーベル:「((信じてもいいのか…?;))」
そして男は、ひょいと軽々しく鎖を跨ぎ、ずかずかと先を歩いて行く…
ラウア達もその背中に付いて行った……