遠征編5
□No.86
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ヒスイ:「……駄目だ…今のナギさんにリンドウを近づけては…
もし真実を告げたりすれば…傷つく事は自明…」
ヒスイは一人呟きながら立ち上がる…
先程からあの天然で、いつもほわほわ左右に揺れているヒスイとはまるで別人の様だ(←
「その心配は無いとおもうよー…?」
![](http://id23.fm-p.jp/data/218/32tvhak/pri/206.jpg)
ヒスイ:「Σ…!?」
いきなり背後で声がして、驚き振り返る…
気配もなく現れた者は、仮面の様なものを被っていて素顔はわからない……
だが、全てを知っているかの様な雰囲気をヒスイは感じ取っていた…
ヒスイ:「一体何者です…?」
??:「…んー…伝達係…
…それより…リンドウ君のする事を止めるのは駄目だよ…」
ヒスイ:「伝達係…?
……その様な事を…何故あなたに言われなくてはならないのですか…?」
??:「ラショウからの伝令だからさ…」
ヒスイ:「…なんと……ラショウさんの味方の者なのですか…?」
??:「うん」
ヒスイは暫く黙って謎の仮面男を見ていたが…
ふと目を伏せ縁側の方へ向かう…
沈みかかった夕日のおぼろげな光がヒスイを照らした…
ヒスイ:「実のところ…僕は…ラショウさんの考えや“今回の作戦”には…反対なんですよ…」
??:「えー……ややこしいなー…
まあそれを想定してか…最初ラショウは…キミに作戦を伝える気はなかったみたいだけど……
君の持つその千里眼…いずれは気づくだろうからと…仕方なく話したんだってねー…?」
ヒスイ:「…聞いてみれば天地が裂ける程の重大事……同じ武家として、秘密にする方がおかしいでしょう…」
??:「確かに…
ま、どの道君は反対するのだろう……
……ところでこの作戦は…白銀君や四君子には話したのかい??」
ヒスイ:「四君子には伝えています…が…ミネ様には修行に専念して頂く為…未だ伝えず………いずれ頃合いを見て話します…」
??:「…そっか………
しかし白銀君が…作戦の主題である指輪の持ち主と親しくなるとはー…まさに奇遇…だね?」
これを聞いたヒスイは、この男がナギやミネの動き、全てを知る術を持つ者だと確信した