遠征編5

□No.86
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ヒスイ:「……駄目だ…今のナギさんにリンドウを近づけては…
もし真実を告げたりすれば…傷つく事は自明…」


ヒスイは一人呟きながら立ち上がる…

先程からあの天然で、いつもほわほわ左右に揺れているヒスイとはまるで別人の様だ(←



「その心配は無いとおもうよー…?」




ヒスイ:「Σ…!?」

いきなり背後で声がして、驚き振り返る…

気配もなく現れた者は、仮面の様なものを被っていて素顔はわからない……

だが、全てを知っているかの様な雰囲気をヒスイは感じ取っていた…


ヒスイ:「一体何者です…?」


??:「…んー…伝達係…
…それより…リンドウ君のする事を止めるのは駄目だよ…」


ヒスイ:「伝達係…?
……その様な事を…何故あなたに言われなくてはならないのですか…?」


??:「ラショウからの伝令だからさ…」


ヒスイ:「…なんと……ラショウさんの味方の者なのですか…?」


??:「うん」


ヒスイは暫く黙って謎の仮面男を見ていたが…
ふと目を伏せ縁側の方へ向かう…

沈みかかった夕日のおぼろげな光がヒスイを照らした…


ヒスイ:「実のところ…僕は…ラショウさんの考えや“今回の作戦”には…反対なんですよ…」


??:「えー……ややこしいなー…
まあそれを想定してか…最初ラショウは…キミに作戦を伝える気はなかったみたいだけど……
君の持つその千里眼…いずれは気づくだろうからと…仕方なく話したんだってねー…?」


ヒスイ:「…聞いてみれば天地が裂ける程の重大事……同じ武家として、秘密にする方がおかしいでしょう…」


??:「確かに…
ま、どの道君は反対するのだろう……
……ところでこの作戦は…白銀君や四君子には話したのかい??」


ヒスイ:「四君子には伝えています…が…ミネ様には修行に専念して頂く為…未だ伝えず………いずれ頃合いを見て話します…」


??:「…そっか………
しかし白銀君が…作戦の主題である指輪の持ち主と親しくなるとはー…まさに奇遇…だね?」

これを聞いたヒスイは、この男がナギやミネの動き、全てを知る術を持つ者だと確信した


  
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